三島市議会 > 2022-06-17 >
06月17日-04号

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  1. 三島市議会 2022-06-17
    06月17日-04号


    取得元: 三島市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-19
    令和 4年  6月 定例会          令和4年三島市議会6月定例会会議録議事日程(第4号)                   令和4年6月17日(金曜日)午後1時開議日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問---------------------------------------本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問             6番   石井真人君            14番   野村諒子君            16番   宮下知朗君            18番   土屋利絵君---------------------------------------出席議員(21名)     1番  佐野淳祥君        2番  甲斐幸博君     3番  村田耕一君        4番  堀江和雄君     5番  鈴木文子君        6番  石井真人君     7番  沈 久美君        8番  大石一太郎君     9番  服部正平君       10番  河野月江君    11番  松田吉嗣君       12番  大房正治君    13番  中村 仁君       14番  野村諒子君    15番  岡田美喜子君      16番  宮下知朗君    18番  土屋利絵君       19番  藤江康儀君    20番  古長谷 稔君      21番  杉澤正人君    22番  佐藤寛文君欠席議員(1名)    17番  川原章寛君---------------------------------------説明のため出席した者 市長                 豊岡武士君 副市長                市川 顯君 教育長                西島玉枝君 社会福祉部長福祉事務所長      水口国康君 財政経営部長             鈴木昭彦君 企画戦略部長危機管理監       飯田宏昭君 産業文化部長             西川達也君 計画まちづくり部長          栗原英己君 教育推進部長             鈴木佳憲君 環境市民部参事環境政策課長取扱    高木久光君 企画戦略部秘書課長          佐々木裕子君 産業文化部商工観光課長        山川 晃君 計画まちづくり部水と緑の課長     宮島康一君 計画まちづくり部三島周辺整備推進課長                    江塚 稔君 教育推進部学校教育課長        中村雅志君---------------------------------------事務局職員出席者 議会事務局長             高橋英朋君 書記                 栗原浩子君--------------------------------------- △開議 午後1時00分 △開議の宣告 ○副議長(佐野淳祥君) 出席議員が定足数に達しましたので、これより令和4年三島市議会6月定例会4日目の会議を開きます。 本日の会議に、17番 川原章寛君から欠席する旨の届出がありましたので、御報告申し上げます。 本日の議事日程は、お手元に配付した日程のとおりでございます。 これより日程に入ります。---------------------------------------会議録署名議員の指名 ○副議長(佐野淳祥君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、7番 沈 久美さん、14番野村諒子さんの両名を指名いたします。---------------------------------------一般質問 ○副議長(佐野淳祥君) 次に、日程第2 一般質問を行います。---------------------------------------石井真人君 ○副議長(佐野淳祥君) これより抽せん順序に従いまして、6番 石井真人君の発言を許します。     〔6番 石井真人君登壇〕 ◆6番(石井真人君) それでは、通告に従い一般質問を行います。 今回は、長期財政計画と三島市まちなかリノベーション推進計画について質問いたします。 三島市では、少子高齢化の進展や公共施設保全計画など、大型投資事業実施による影響を踏まえ、令和4年5月に令和32年度までの長期財政計画を改正しました。 3年前の令和元年6月議会にて、改正前の長期財政計画に対し、扶助費の将来推計をかなり甘い予測を立てているということを指摘させていただきました。まず、その扶助費の推移がどのように改定されたのかを確認させてください。 このグラフにありますように、令和元年のときの改定前の三島市の扶助費の予測がここにあります。この青い線になります。扶助費の予測は、国や他市の推移に比べてかなり甘い予測ではないかという指摘をしました。3年がたち、改定された長期財政計画の扶助費の将来推計を見ると、このように赤い線となっており、ほかの市と同じような将来推計になっております。三島市でも厳しい扶助費の将来推計に今回改定されました。 そこで質問ですが、この3年間の間にどのようなことがあり、今回のような扶助費の予測に改定したのか。今回改定されたものと改定前の扶助費の予測が大きく異なったことについて理由を教えてください。 また、平成25年から令和26年時点までの扶助費の累計金額について、改定前の一般財源の扶助費の累計額と改定後の扶助費の一般財源の累計額に関して、どのような差が金額に表れているのでしょうか。 以上、壇上からとし、以降は質問席から行います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 2点御質問いただきました。お答えします。 その前に、この今、御紹介いただいた数字、このグラフ、確かに間違ってなくて合っているんですが、ちょっと見ていただくのは、赤いのが今回改定した、実際に令和2年を見ると、赤ががくっと下がっていますよね。このように、今回はストライクゾーン高めいっぱいにキャッチャーミット構えてやりましたので、このようにワンバウンドすることも高ぶれすることもあるということをまず、石井議員は当然御理解いただいている上でお話をさせていただきたいと思います。 まず、今回改定した長期財政計画と改定前の長期財政計画の違いを説明させていただきます。 石井議員も十分御承知のことと思いますが、改定前の財政計画一般財源ベースでありまして、平成28年度決算の義務的経費である扶助費、公債費、人件費の一般財源市税総額に対し、平成29年度以降の義務的経費と市税を推計し、平成28年度に対して各年度の増減を算出し、一般財源の過不足額を表記しておりました。 今回改定した財政計画は、令和3年度から令和32年度までの各年度の歳入歳出について、全ての経費と歳入を費目ごとに細かく推計して算定し、各年度ごとの歳入総額から歳出総額を差し引き財源不足を算出いたしました。 なお、今回改定した長期財政計画は、義務的経費と市税だけでなく、全ての歳入歳出を推計して算定しており、令和4年度から令和32年度までの全ての年度において実質収支額がプラスとなっております。 続きまして、扶助費の改定前と改定後の数値の違いでございますが、改定前の財政計画における扶助費の一般財源の平成25年度から令和26年までの決算数値は、約884億6,000万円となっております。一方、改定後の扶助費を一般財源ベースで算出しますと、約1,043億2,000万円となり、改定前の数値より約158億6,000万円の大幅な増となっております。 この理由でございますが、扶助費総額に対する一般財源は、過去の経緯から30%程度であるのに対し、歳出過小とならないよう安全を見て、改定後では32%で算出したためであります。また、今後の伸び率についても、改定前では令和10年度までが0.5%、令和20年度までが0.1%、以降は伸び率ゼロと推計しておりましたが、改定後は伸び率をより厳しく見込み、令和6年度までが2.5%、令和11年度までが1.5%、令和21年度までが0.5%、以降の伸び率は0.2%に引き上げて算定したことも増加の大きな要因でございます。以上です。 ◆6番(石井真人君) 今の部長の御答弁でですね、今回の改定で、改定前より扶助費を厳しく見たことで、実際に改定後の累積で約158億円の大幅な増加になったということが分かりました。 次に、扶助費に人件費と公債費を加えた義務的経費についても確認させてください。 義務的経費に関し、改定前の長期財政計画では、平成28年度を基準とした義務的経費市税総額一般財源の算定による各年度の増減の将来予測シミュレーションがありましたが、今回のこの改定後の数字で再算定すると、令和26年度までの金額はどのようになるのでしょうか。前回は、累積額が約87億5,000万円プラスとなっておりましたが、今回の改定でどのように変化しているか、その変化の主な理由もお聞かせください。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) お答えいたします。 今回改定した長期財政計画は、令和2年度決算及び令和3年度決算見込額をベースにした30年間の計画となっており、新庁舎建設計画をはじめ、東街区やファシリティーマネジメントに係る令和2年度現在の経費なども含まれておりますので、改正前の数値より精査されたものと御理解いただきたいと存じます。 御質問のとおり、改定後の財政計画を令和4年度から令和26年度までの一般財源ベースで再算定して、平成28年度を基準とした市税と義務的経費の過不足額を改定前の数値と比較しますと、改定前の過不足額約87億5,000万円プラスに対し、改定後の過不足額は約216億6,000万円のマイナスとなり、これだけ見ると大きな乖離となっております。 この理由といたしましては、市税と公債費の数値に大きな乖離はありませんが、先ほど御説明したとおり、扶助費の算定において約158億6,000万円の乖離があり、人件費につきましても改定後では令和2年度から会計年度任用職員の人件費、約6億円が毎年新たに加わるため、約124億5,000万円の増加となったことが主な要因でございます。 しかしながら、先ほど御説明申し上げましたとおり、歳入歳出の差引きによる各年度の実質収支額においてマイナスになる年度はなく、計画期間の30年間では約175億4,000万円のプラス収支となっております。以上でございます。 ◆6番(石井真人君) 長期財政計画の数字に関して、扶助費や人件費の算定の違いで大幅にマイナスになったとありました。3年前の数字はプラス87億円、でも、改めて再算定し直したらマイナス216億円となったということは、たった3年間で、改定前、改定後の差額が約300億円にもなっているということです。 令和元年の6月議会の答弁を振り返りますと、この先ほどの財政計画の指標というのは、義務的経費を除いた投資的経費を含む費用が、東街区やファシリティーマネジメントなど、大型の投資事業を行ったときに採算が合うかという大事な指標だと私は認識しております。つまり、今後投資的経費については、マイナス216億円という厳しい結果が出ているということです。御答弁で実質収支は毎年歳入が多く、歳出は少ないという結果でマイナス年度はなく、差額はプラスと計算されているようですが、本当にこの数字ですね、この歳入も歳出もそのままいくものかということは、少し懐疑的に見る必要もあるかなというふうに思っています。 次に、補助費等について確認させてください。 豊岡市長が就任して以来の、以降のグラフがここまでになります。補助費等は平成25年度、これ長期財政計画に載っている数値を拾うと、約15億円から令和3年、たったのこれ8年間で、その金額が2.6倍の39億円になっています。 一方で、今後の30年後の未来について、毎年補助費を減らす必要があり、30年後には令和3年度、このときよりも単年度で10億円以上補助費を減らす必要があります。つまり、右肩下がりの今後の市政の補助費の状況では、新しい補助事業をすることも難しいですし、さらには、今まで補助費を出していた事業をやめるという決断も必要と考えられます。 実際、一度つけた補助費を減額することは難しいと思いますが、具体的にどの補助費等を減らすことが可能と考えているのでしょうか。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 御質問の補助費等の減額が可能かということでありますが、補助費等を構成する歳出経費の主なものは、市単の補助金、それから、児童措置費の保育料、富士山南東消防組合の負担金、それから、下水道会計の繰出金となります。 補助費等が平成26年度に比べ急増した理由でございますが、平成28年度から新たに設置された富士山南東消防組合の負担金が約11億円加わり、平成30年度からは下水道への繰出金が決算統計の計上費目の変更により約9億円加わり、さらに、近年、手厚い子育て施設などへの支援による児童措置費の増加が主な要因でございます。 この補助費等の将来推計ですが、消防への負担金は増減なし、市単の補助金についてはガイドラインに沿った適正金額の設定により微減、児童措置費については少子化の進展により減少、下水道への繰出金についても主要部分の整備がほぼ完了しておりますことから減少と見込み、全体で毎年1%ずつの減少となっております。以上です。 ◆6番(石井真人君) 今の部長の御答弁で短期間で上がった補助費等の金額が24億円ですので、今の御答弁で消防の負担のほうで約11億円、そして、下水道で約9億円、足して20億円だと思います。つまり、それでも差額が4億円なので、豊岡市長になって、この短期間で単年度の補助費が4億円も増加しているのではないかというふうに思います。 さらに、今後の将来推計を見ると、毎年全体で補助費を1%減少するという予測を立てているということは分かりましたが、三島市の単独の補助金もこれから減少させていかなければならないとなると、裏を返せば、これから将来にわたって新規の補助事業を行う余裕がほとんどないということも分かります。 また、下水道への繰出金を減らしていくという話でしたが、つまり、それは今後下水道料金を値上げして市民の負担を増やし、その資金に充てていくということにもなるかと思います。 そうした厳しい財政状況の下では、今後新規の補助事業をすることが困難になると思いますが、一方で、新規補助事業であります東街区再開発事業は、これから市の税金を38億円使うという大型の補助事業となりますが、先日の全議員を集めた説明会では、費用便益比に関し、担当課から令和3年度の改定により、その便益比が当初の1.13から悪化して1.07となったとありました。さらに、感度分析に関しては工事費が5%上昇して、分析した結果、1.03になったという御説明もありました。 つまり、費用便益比のその分析から分かることは、今後工事費が上昇すると、東街区の再開発は投資する費用に対して新たに得られる便益がほとんどないという厳しい結果です。 さらに、前回感度分析を行った際には、工事費の10%上昇を踏まえ、厳しめに算定されたと思いますが、今回の感度分析は上昇を5%と見ています。社会情勢が厳しくなっているのに、なぜ甘い数値で分析を行っているのかと疑問は残りますが、今回の感度分析において、なぜ工事費の上昇を10%でなく5%という数字を使ったのか、その理由を教えてください。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 前回の令和元年度の算出では、基本設計等の着手前であることから、工事費に関する不確定要素も多い令和元年度時点での算出となっており、感度分析では工事費については5%の変動を基本にしつつ、工事費が上昇傾向であることを踏まえ、上昇についてはさらに5%上昇した10%としております。 今回の令和3年度では、事業計画での工事費に対し、ECI事業者の募集時において、ほぼ同額の工事費の提案があったことなど、工事費に関する検討状況が2年前と比較すると熟度が高まっていると感じております。 このようなことから、工事費は上昇、低下ともに、5%の変動幅で感度分析を行っております。感度分析は、社会経済情勢が変化した場合の費用便益分析結果への影響の大きさを把握するためのものであり、事業計画に基づく費用便益比は市街地再開発事業単独で1.07、定期借地事業を加えた事業区域全体では1.24であることに御理解いただきますようにお願いいたします。以上です。 ◆6番(石井真人君) 今の御答弁ですね、感度分析は令和3年度を基準にしたものとありました。昨日もありましたけれども、令和4年度に入り、ロシアのウクライナへの軍事侵攻などにより、燃料費の高騰で物流費や建築資材など、あらゆる物価が世界中で高騰しております。さらには、円安が進むことで、今後工事費に関して予想し得ない価格高騰のリスクも考えられます。そうなると、前回考えていた感度分析で工事費10%上昇でも、実は甘い数字ではないかと考えられます。 また、前回の感度分析の結果では、工事費が10%上昇すると費用便益比は基準値よりも0.8低くなるという結果になっています。つまり、この結果を今回の費用便益比1.07に当てはめるとマイナス0.8になりますので、結果0.9となると。 先日の河野議員の答弁では、10%上昇で1.0程度ということでしたが、工事費10%上昇で費用便益比が1を割るということも考えられるのではないかと思います。そして、費用便益が1を割った場合には、昨日、古長谷議員や大石議員の答弁で、事業収支が確保できるよう施設計画の見直しをするというお話でしたが、再度ちょっと三島市の対応について確認させてください。 それと、その際に国から予定している社会資本整備事業交付金など、国の補助金の在り方についてどのようになるか教えてください。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 今回の費用便益分析感度分析では、工事費が10%上昇しますと、費用便益比は1.0程度になると想定しておりますが、ECI事業者の募集時に事業計画の工事費に近い金額での提示を受けておりますので、まずは関係者が力を合わせて事業計画の金額での事業推進に注力していくものと考えております。 仮に実際の工事費が増加した場合につきましては、事業費の大幅な増加は事業収支に大きな課題となりますので、そのまま事業を進めていくことにならないと考えており、事業収支が確保できるよう、施設計画の見直しを行うことなどが想定されます。 また、社会経済情勢の変化に伴い、便益の発生の仕方も変動してくると思われますので、今回の分析における感度分析のとおりになるとは考えておりません。 なお、費用便益分析は、事業を社会的な側面から評価するものですが、事業効果の一側面であり、これが全ての効果を踏まえた評価とは言えないものと考えております。 費用便益比が高まるよう検討を進めていくことはもちろん重要ですが、市民の皆様に喜んでいただける事業とすることも重要であると考えております。今後の社会経済情勢の変化や国・県の動向等を踏まえ、適切な対応を図りつつ、事業関係者と力を合わせ、事業を推進してまいりたいと考えております。以上となります。
    ◆6番(石井真人君) 市の対応として、事業費の大幅な増加については、場合によっては施設計画の見直しもあり得るということで承知いたしました。 一方で、工事費が上昇、費用便益比が1を割るような状況になった場合の国の対応ですね、補助金についてどうなるかということについてお答えいただいていないと思いますので、もう一度ちょっと確認させてください。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) 改めてお答えいたします。 令和3年度に算出をしました費用便益比は1.07であり、1.0を上回っておりますので、今後さらに費用便益比の算定を行うと仮定した場合の結果が1.0を下回る際の国の交付金に係る御質問としてお答えしたいと思います。 費用便益比が1.0を下回る場合に、国の交付金が交付されなくなることを明確に記載した通知などは見受けられませんが、事業の進捗状況や事業熟度、三島市の当該事業に対する考え方などを踏まえ、国や県と交付金に係る対応を協議することが想定されるところであります。以上となります。 ◆6番(石井真人君) 明確な記載がないということでしたけれども、協議を重ねなければいけないという部長の御答弁でしたので、非常にリスクの高い状況が続くと思いますので、今、もう一度算定し直すということも含めて、費用便益比という非常に大事な指標になってくるかと思いますので、その点十分注意していただけたらと思います。 あと、先ほど長期財政計画歳入歳出の推移がプラスで推移するという御答弁が財政経営部長からありましたが、世界情勢の変化による建築資材価格の高騰などの影響で、工事単価や物価が上昇した場合に、大型の投資事業への補助事業費が増えることも想定されると思います。その際の長期財政計画には、どのような影響があるのでしょうか。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 投資的経費をはじめ、全ての事業において、工事価格や物価の上昇は財政計画に大きな影響を与えるものと認識しておりますので、できれば二、三年ごとにローリングをして計画の精度を高める見直しをしてまいりたいと考えております。以上です。 ◆6番(石井真人君) ぜひとも時代に合わせて計画の精度を上げるためにはローリングしていただき、大きく変化する社会経済情勢に合わせて見直せるような体制づくりをしていただけたらと思います。 では、長期財政計画については最後の質問になりますが、今後、災害や感染症など、予想し得ないリスクにより補助費等への増額も考えられますが、収支の合う変動幅の上限の金額を幾らまで大丈夫だと想定しているんでしょうか。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 石井議員とはたびたび財政上の議論をさせてもらっていまして、思いは大きな違いがないと思った上でちょっと申し上げますが、1つの例えば扶助費とか補助費とか、それだけを取り上げないで、今後は全体、せっかく全ての歳入歳出財政計画をつくりましたので、それでできたら議論させていただければと思います。 その上で御質問の答弁なんですが、想定をはるかに超える大規模災害や新たな感染症パンデミック、国際紛争などにより、全ての歳出経費の増加や歳入減少のリスクは当然ございます。この場合の対処策といたしましては、まずは予算編成査定の段階で事業の選択と集中やスクラップ・ビルドに加え、新たな特定財源を模索することになります。毎年予算要求の段階では、20億円から30億円の財源不足が生じておりますが、このような地道な作業を全職員一丸となって行っているところでございます。それでもなお、財源不足が生じる場合には、これまでの10年間で積み増し、令和3年度末で約16億8,000万円の残高となっている財政調整基金の活用などを考えることになります。以上です。 ◆6番(石井真人君) 部長から今、マクロですね、大きな視点で歳入歳出の議論ということで、ぜひともさせていただきたいなと思っています。 今回、歳出の面だけでちょっといろいろ気になる点をピックアップして御質問しましたが、歳入の面でも本当にこれだけ収入が安定して増えてくるのかという疑問のある数字もたくさん見受けられましたので、ちょっと限られた時間で、なかなかそこまでできていないのが、自分もちょっと申し訳ないなと思いますけれども、本当に市の根幹に関わる、30年先を考える意味でも、この長期財政計画、非常に内容の濃いものだと思っていますので、引き続き議場以外でも、部長とはいろいろ密にさせていただいていますので、引き続きよろしくお願いします。 その上で、今、御答弁いただいた今後の財源不足については、財政調整基金を活用していくことで分かりました。非常事態に使えるお金が財政調整基金の16億8,000万円しかないということは、これだけで、さすがに大変厳しい財政状況だということが分かります。さらに、今後新庁舎の建設、焼却炉の更新など、大型の事業案件を抱える三島市において、十分に使えるお金がほとんどない状況となります。未来にツケを回さないためにも、今から財政の無駄遣い、洗い出しを行い、事業のスクラップが急務だと考えております。 さらに、社会経勢も変化しますので、併せてローリングをしていただき、将来予測をしっかり立てた財政運営をお願いいたします。 続きまして、三島市まちなかリノベーション推進計画について質問させていただきます。 本年3月に作成された三島市まちなかリノベーション推進計画では、対象エリアとして、三島市、三島広小路、三嶋大社を定めておりますが、この定めた対象エリア内における遊休不動産の実態をどの程度把握されているのでしょうか。空き家、空き店舗、空き地などの件数や所有者の状況など、伺わせてください。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 本計画の対象エリアであります三島駅、三島広小路、三嶋大社を結ぶエリアにおける、遊休不動産の実態把握についてでありますが、令和3年度に計画を策定するに当たり、受託者による対象エリアの現地調査を実施しております。調査内容といたしましては、エリア内の現状やポテンシャルを把握するための空間特性調査、エリア内の空間利活用の現状を把握するための空間利活用状況調査のほか、御質問いただいておりますエリア内の建物利用の状態や空き家、空き店舗の分布を把握するための既存ストック調査を実施し、状況を整理しております。 これら空き店舗や空き家等の実態に係る調査は、テナント募集の有無、郵便受けの様子やメーターの稼働状況などを判断基準として、敷地外からの目視により確認調査を行いましたので、あくまでも参考値として申し上げますと、空き家の軒数はおおむね30軒程度と把握をしております。また、建物1階部分の利用形態、1階及び2階部分の空き店舗、空き家、駐車場及び空き地について、その調査結果に基づき分類し、地図上に落とし込むことでエリアごとの特性をつかんでいるところでございます。以上になります。 ◆6番(石井真人君) 現地調査の結果、対象エリアには空き家が30軒あり、地図上に落とし込んで把握されているということで承知いたしました。 次に、対象エリア内には、東街区の再開発事業がありますが、現在、NIPPONIAのブランドで全国各地で、まちなかリノベーションを自治体と連携しながら進められている、こちら藤原社長の資料なんですけれども、駅前の再開発とまちなかリノベーション計画の考え方が異なりまして、駅前再開発は集約型の都市型開発と、そして、まちなかリノベーションはエリアのリノベーションであり、分散型開発となります。この2つの開発は、この図にありますように性質が異なります。 しかし、三島市では、これから駅前の再開発の都市型開発と、まちなかリノベーションの分散型開発を同時並行的に進めようとしていますが、この2つの方向性が異なる開発を進める理由と性質の異なる2つをどのように整合性を図っていくか教えてください。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 まちなかリノベーション推進計画は、エリア内で新たなコンテンツを作成するなど、居心地がよくて歩きたくなる町なかを形成することで、エリアの魅力を高め、エリア内に人を呼び込むことを目的の1つとしています。 東街区再開発につきましては、三島駅南口周辺から町なかへ人流を促すためのにぎわい増幅装置となるものと認識をしておりますので、本計画では東街区再開発事業との連携につきましても、随所で触れているところでございます。 今後、再開発事業によって整備される施設と中心市街地の既存商店街が連携することで、エリア内の回遊性が高まり、より一層の新たな人流が生まれることが想定されますので、本計画に設定しております15の戦略を基にした様々な取組につきまして、まちなかリノベーション研究会等において検討してまいりたいと考えております。以上となります。 ◆6番(石井真人君) 今後、様々な取組やまちなかリノベーション研究会で検討するということでしたが、回遊性については東街区の再開発によって整備された施設によって、既存の商店街と連携させてエリア内の回遊性を高めていくとの御答弁がありました。 では、具体的にどのような方法で駅前にいる人たちを三島の町なかへ回遊させるのでしょうか。町なかで回遊させる仕組みをどのように考えているか教えてください。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 まちなかリノベーション推進計画において、三島駅周辺につきましては、人が集い、人とまちをつなぐゲート機能を備えた東街区再開発事業の整備により、西街区や楽寿園と連携する中で、新たなリノベーション、付加価値やにぎわいの広がりが期待されるとありますとおり、再開発事業によりできあがる新たな街区がにぎわいを持続的に創出して町なかに波及させる、にぎわい増幅装置の役割を担うものと考えております。 導入機能についての協議の中では、駅に近い棟に案内機能を設け、まち歩きを促していくことや街区内の飲食店の待ち時間を利用して、まちを歩いてもらい、町並みや歴史に触れてもらうような仕組みづくみなどのアイデアも出されているところであります。 このように既存の商店街との連携やガーデンシティの取組などを連動させる中で、三島駅、広小路、三嶋大社を結ぶ三角形において、東街区がポンプ役となり、回遊と消費を促していくことで、さらなる魅力とにぎわいのあるまちへの発展が望めるものと考えておりますので、リノベーション計画と再開発事業で十分な連携を図りながら進めてまいります。以上となります。 ◆6番(石井真人君) ただいま部長の答弁で、回遊性について駅前の再開発がポンプ役となり、町なかへ人を送り出すというような発想ですが、先ほどの長期財政計画の問題点として、今後の財政状況ですね。資金的な余裕がなく、新規の補助事業がしにくいと御説明させていただきました。そのような厳しい中でも、三島市では駅前の再開発事業に一点集中型の都市型開発として市の税金38億円、駅前に集中投下をこうやってします。この左の図にあるように、1か所に大きな点として集中開発することにより、既存の飲食店や商店、ホテルなど、もともと町なかで分散されていたものが1か所に集約されるような力もありますので、集約型の開発では顧客を駅前に一点に集めることになります。集められた顧客は、回遊せずに再開発の建物内で完結し、三島の町なかに回遊しないまま帰路に着くという集約型施設を造る可能性もあります。その場合は回遊性とは真逆の効果となることも十分に考えられます。 一方で、エリアリノベーションの考え方は、こういう考え方です。エリア内に小さな投資をして、そして、小さな成功事例を積み重ねて面をつくり、回遊性をもたらす仕組みになります。駅前の再開発の市の税金38億円をかけますが、それを1か所に集中するような考え方ではなく、例えば、エリア内に分散していたら、ここに1億円をかけようと、その1億円を1つの場所にかけるのではなくて、例えば、100万円を100か所、そういうリノベーション事例をつくるということをして、町なかに100か所の分散した事例をつくっていく、そういう発想です。 その100のリノベーションの点を結ぶことで、面的にこういうふうに開発をして、点から面を形成するように広げていくということで、エリア全体を活性化させる。これが分散型開発によるエリアリノベーションの考え方です。結果、点から面の分散型開発となり、各リノベーション拠点を人が目指し、回遊する仕組みができます。 なので、これが点の開発と面の開発の違いになります。 今、三島市では、これら考えの違う開発を同時並行的に行うという話でしたが、先ほどの長期財政計画からも今の三島市には財政的な余裕がなく、駅前に38億円投下してしまったら、まちなかリノベーションには投下する資金がほとんどありません。厳しい財政状況の中で、今、三島市においてまちなかリノベーション推進計画を実施するに当たり、現在想定している補助額の上限額と新規の補助事業に対しての投資的経費についての考えを教えてください。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 まちなかリノベーション推進計画は、官民一体となったエリア全体のリノベーションを推進し、商店街の魅力と活力を高め、市民のQOLの向上にも結びつけることで、エリアの価値を高めるとともに、にぎわいの創出につなげ、民間投資を促す好循環のサイクルを生み出すことを目的にしております。 このサイクルにおける民間投資を呼び込むための新たな事業展開につきましては、まちなかリノベーション研究会において協議を行ってまいりますが、その中で既存の市補助金に係る補助対象や上限額等の運用についても御意見を伺い、必要に応じて支援策について検討してまいりたいと考えております。 しかしながら、本計画のコンセプトでもあります民間が主体となった官民連携のまちづくりを進めるためには、可能な限り、市の補助金のみに頼らない、民間投資を促すための15の戦略を具現化してまいりたいと考えております。以上となります。 ◆6番(石井真人君) 御答弁ありがとうございます。 基本民間主体でやっていくということでした。財政的に厳しいので、仕方のないことかもしれませんが、行政がある一定程度の補助金を出すことで、民間の事業を後押しして面的にリノベーションが進むような環境を整える必要もあるのではないかと思います。そのためにも、ある程度、三島市としても新規に事業投資ができるよう、まちなかリノベーション推進計画に関する補助費等も確保した長期財政計画をぜひ立てていただけたらと思います。 次に、まちなかリノベーション推進計画において、現在、重要業績評価指標、いわゆるKPIの記載が、この計画の中にはありませんでしたが、どのような数値を目標として設定しているのでしょうか。目標としている数値がありましたら教えてください。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 まちなかリノベーション推進計画におけるKPIの設定についてでありますが、計画作成に当たっては、作業部会や協議会での協議をはじめ、様々な観点から検討を重ね、最終的にその実現に向けた取組や体制等については、今後まちなかリノベーション研究会において、戦略の具現化、スモールスタート事業の実践等のアクションを起こしやすい環境整備を推進していくこととしております。 具体的には、地域の商店会や商工会議所、金融機関、民間事業所等で構成する、まちなかリノベーション研究会等において、計画に定めている15の戦略ごとの活用ポテンシャル、目指すべき姿、取組案、役割分担等について検討を重ね、できることから具現化していくことを計画の実現に向けた今後の進め方としており、エリアの将来像、15の戦略などの方向性を位置づけた計画書としております。 いずれにいたしましても、これらの方向性を基に議論を重ね、魅力と活力ある中心市街地となるよう努めてまいります。以上となります。 ◆6番(石井真人君) 今後決めていくということで承知しました。 事業推進には、明確な目標が必要となります。事業における経済効果や観光客の増加人数、空き家の活用数など、今後目標を持って事業推進に当たっていただけたらと思います。 全国のこのリノベーションの事例の中で、秩父市や伊賀市では、まちなかリノベーション推進計画や空き家対策を推進する上で、こちらはちょっと秩父市の事例なんですけれども、このように行政、こちらは市ですね。これ民間企業などから出資をしてもらうなどして、まちづくり会社となるSPCという形で事業を推進しております。この他市町のような形でSPCをつくって推進していくことについては、どのようにお考えか教えてください。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 秩父市や伊賀市の事例にきましては、いずれも地域に残る古民家等の歴史的建築物を活用し、その歴史性を尊重しながらリノベーションを行うことで、その土地の文化や歴史を実感できる施設として再生していく事業であると認識しております。 まちなかリノベーション推進計画策定に当たり実施いたしましたエリアの現状に関する調査、状況分析によると、対象エリアには住宅が多いことが分かり、今後の人口減少による対応策として、空き家対策が重要になってくるものと考えております。このことから、計画の指針設定において、遊休不動産を活用した場づくりや不動産オーナーへの啓発につきましても、戦略として設定しているところでございます。 さらに、中古住宅として市場に流れない空き家や利活用目的が定まっていない空き家については、この問題を解決していくため、共創の取組として、民間事業者と新たな仕組みが構築できないか提案を募っているところであります。 いずれにいたしましても、御提案いただいた事例につきましては、今後まちなかリノベーション研究会等においても、メリット、デメリット等も含め、調査研究してまいりたいと考えております。以上となります。 ◆6番(石井真人君) 調査研究していただけるということで、ぜひともお願いいたします。 他市町ですね、このSPCをつくって、先ほどの空き家のことありましたけれども、中古、市場に流れない空き家などの対策も行っているようです。ぜひとも先進事例を参考に、このSPCをつくることの導入も含めて、ぜひ研究会で研究のほうをお願いいたします。 最後の質問になります。 平成30年6月に旅館業法が改正され、規制緩和によりホテルのフロント、宿泊棟、レストラン棟を分離させ、新たにまち全体がホテルという発想でエリアリノベーションという形でやっている事例があります。 こちらの下のところがその事例の丹波篠山市の事例で、このまちの中にフロント、客室があったり、レストラン棟があったりということで、まち全体をホテルというような捉え方をしてリノベーションを進めているまちがあります。このまち全体をホテルとすることで、今回のコロナ禍においても、密を防ぐ宿泊施設ですね。1つに集めないので、1つの棟自体が独立した客室になっていますので、そうしたこともあって国内の観光客が減らなかったと、むしろ多く訪れたという話も聞いております。 さらに、こうなると、観光客が自然とフロントに行くのも出歩かなければいけない。隣の客室に行くのも出歩くみたいな形で、食事行くのも朝食は別の棟に行かなければいけないみたいな形で、自然とまち歩きをするというような効果もあるそうです。 現在、三島市でも最近、朝散歩も多く活動が盛んになっておりますが、そうしたものとも非常に連動しやすいものではないかなというふうに思っておりますが、このまち全体がホテルというこの仕組みについて、その点はいかがお考えでしょうか。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 平成30年6月に旅館業法が改正され、1室当たりの部屋数の制限がなくなったことや各施設が許可の要件を満たしていれば、建物が分散していても1つのホテルとして営業が可能となり、まち全体がホテルという発想での営業が可能となりました。 先ほど御答弁させていただきましたとおり、本計画策定に当たり、目視調査ではございますが、対象エリアにおける空き家、空き店舗等の実態調査において特性をつかんでおりますので、遊休不動産の利活用につきましては、まちなかリノベーション研究会等において、他市町の事例も民間事業者に情報提供しながら、まちなかリノベーション推進計画のコンセプトでもあります居心地がよく、歩きたくなる町なかの実現に向け、調査研究してまいりたいと考えております。以上となります。 ◆6番(石井真人君) 居心地がよく歩きたくなるまちを実現していくということで、私もぜひともそういったコンセプトで進めていただき、三島の魅力をさらに発信していただけたらと思っています。 このまち全体がホテルという発想についても、リノベーション研究会の中でも考えて検討いただけるということでしたので、ぜひとも検討のほうをお願いいたします。 東街区で大型のホテルを造るという計画がありますが、先ほどお話ししたみたいに、一点集中の開発では、まちのエネルギーをこの一点に集約をさせてしまうという怖さもあります。そうすると、回遊性を持たせるどころか、逆に人を集めて回遊しないという逆効果も懸念されます。一方で、まち全体がホテルという発想ですね、まちなかエリアリノベーションもそうですけれども、エリア内で分散開発することができますので、フロントから宿泊棟、レストラン棟等と宿泊客が自然と町なかを回遊する仕組みが生まれます。しかも、エリア内に既に存在しています、今30とありましたけれども、空き家や空き店舗など、遊休不動産を新たにホテルの客室として生まれ変わるということもできます。 もともと三島は三嶋大社から広小路までの旧東海道は宿場町として発展してきた歴史もあります。実際に、三嶋大社の隣には、梶屋旅館さんとか、少し歩くとプラザの前身である菱屋旅館、さらに行くと水口旅館や大中島の金時があったように、まち全体が宿場町として発展してきた、そうした歴史もありますし、今でもその町並みが残っています。 新たに大型のホテルを駅前に造るよりも、これまで三島でつくってきた町並みを生かし、そして、新しい発想で生かされていない空き家や空き店舗、空き地をリノベーションするという方法で、宿泊場所やいろいろな新しい場所として生かすことができれば、宿場町としての昔の三島市のにぎわいを取り戻すことも考えられます。 都会にもたくさん存在するような1か所に集める大型のホテルでなく、古い古民家や蔵を改造した宿、源兵衛川を望む宿ができたり、楽寿園を借景とした宿など、三島のまちの風情を生かした宿泊施設として生まれ変わることができれば、特徴ある観光地にもなります。 さらに、観光客が朝から朝散歩をして、三島のまちを楽しんでもらったり、三島にしかないそうした宿泊場所があると、まちに暮らし、生活するような宿泊体験をすることができます。そうすると、観光客がリピートをしたくなる仕掛けをつくることもできます。それが、さらに交流人口や関係人口を増やすことにつながり、いずれは移住定住により三島市民の人口を増やす施策にもつながるのではないかなと思っています。 財政が厳しい中では、知恵と工夫で三島にしかないもの、今あるものを生かし、古きよき三島のまちの特徴を生かしたまちづくりを、ぜひとも知っていただきたいという思いをお伝えして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 ○副議長(佐野淳祥君) 以上で、6番 石井真人君の発言を打ち切ります。 議事の都合により、ここで休憩いたします。 なお、再開は14時5分の予定です。 △休憩 午後1時49分 △再開 午後2時05分 ○副議長(佐野淳祥君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。---------------------------------------野村諒子君 ○副議長(佐野淳祥君) 次に、14番 野村諒子さんの発言を許します。     〔14番 野村諒子君登壇〕 ◆14番(野村諒子君) 通告に従い一般質問を行います。 今回は2つのテーマで伺います。 1、人とペットの健康と安全を確保するための取り組み、2、三島市環境基本条例に基づく負荷の少ない持続性に配慮した樹木の環境保全、以上の2点お伺いします。 まず最初、人とペットの健康と安全を確保するための取組について伺います。 近年、同居する家族数は減り、単身世帯が増えているようですが、ペットと同居する家庭は増えていると思われます。ペットを家族のようにかわいがる家庭が多い一方で、中には動物の習性を理解しないままの不適切な飼い方や清潔な環境を維持できない中での飼育により、動物だけではなく、飼い主の生活環境の悪化などが見られるケースもあるようです。 飼い主の高齢化が進み、ペットとして飼われた犬や猫の飼育が突然困難になるケースも報告されています。 令和元年6月に改正された動物愛護管理法が、令和4年6月1日から施行されましたが、三島市においては、そのことがどのように周知され、課題解決に結びつくのでしょうか。 ペットといいましても、愛玩動物として飼われている動物はいろいろ種類がありますが、今回は、特に犬と猫に限定した上で、シルバー世代の人とペットが健康で安心して暮らせる、そのための取組についてお伺いします。 まず、動物愛護法の一部改正の施行により、効果等期待されるものは何かについてお伺いします。 動物愛護法の一部改正により、令和4年6月1日より犬、猫等販売業者は取得した犬、猫等にマイクロチップを装着しなければならないことが施行されました。また、装着日から30日以内に環境大臣の登録を受けなければならないとされています。 近年、犬、猫のペット頭数は増加し、ペットフード協会が発表しているペットの飼育頭数調査により、5年間の推移を見ますと、2021年12月では犬701万6,000頭、猫894万6,000頭で、コロナ禍では犬が少し減少しているのに比べて、猫は若干増えているようです。 癒しと安らぎを求めてペットを飼う人が多いようですが、ペットを飼うことは金銭的な負担もかかりますし、ペットの習性を理解し、適切な環境を維持することはそれなりの労力も必要です。飼い始めた当初は世話ができても、飼い主の高齢化や家族構成の変化、金銭的負担等々の理由により飼えなくなったペットが捨てられ、野生化するケースも問題となっていました。野生化したものを地域猫として世話をするにも限界があります。 また、特に法改正になった原因の1つに、大災害のときに行き場を失ったペットがまちにあふれ、保護しても飼い主が特定できず、殺処分せざるを得ないケースが多かったことにもあったようです。人とペットの双方に不幸を招かないための法改正と理解しますが、今回の法改正の施行により、三島市のペット等に関する問題の課題解決にどう結びつけようとされているのか。効果等、期待されるものは何か伺います。 以上を壇上で伺いまして、あとは質問席で伺います。 ◎市長(豊岡武士君) 野村議員に私から動物愛護法の一部改正の施行による効果、期待されるものは何かということにつきまして御答弁申し上げます。 御紹介ありましたように、令和元年の動物愛護管理法の一部改正は、動物取扱業のさらなる適正化、動物の不適切な取扱いへの対応の強化を目的とし、第一種動物取扱業による適正飼養等の促進、動物の所有者等が遵守すべき責任規定の明確化や動物の適正飼養のための規制の強化とマイクロチップの装着などが主な改正内容で、令和2年から順次施行されているところでございます。 そのうち、本年6月1日に施行されたマイクロチップの装着等につきましては、犬、猫の販売業者等にマイクロチップの装着、情報協力を義務づけるとともに、法律の改正前から飼われている犬、猫のマイクロチップ装着は飼い主の努力義務とされたことから、広報みしま6月1日号及びホームページに掲載し、周知に三島市は努めているところでございます。 犬や猫にとってマイクロチップは名札と同じで、首輪や迷子札に比べ、外れて落ちたりする可能性が低く、生涯身元を証明するものでありまして、地震、水害などの災害時や迷子や逃げ出した場合でも飼い主の発見が容易であるため、迅速に飼い主に返すことができるなど、動物愛護の面で期待できるものであります。 また、放し飼いなど、周辺住民に迷惑をかけ、保護された場合などには飼い主など、責任の所在を明確にするものでありまして、飼育放棄の防止につながるなど、動物の適正管理についても期待できるものであります。特に飼い主のいない猫の減少につながるものであると考えておるところでございます。 今後におきましても、市民の快適な生活環境を保持し、人と動物の共生する豊かな環境づくりを推進してまいる考えでございます。以上であります。 ◆14番(野村諒子君) このたびの法改正では、犬、猫販売業者以外の犬、猫の所有者はその所有する犬、猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならないとされました。つまり、既に所有している飼い主は努力義務とされました。努力義務とはいえ、今回の法改正に至った経緯を考えますと、近く起きるかもしれないと予想される災害時に対応するためにも、できるだけ飼い主の責任としてマイクロチップの装着を促していく必要があるのではないかと考えます。 三島市内のペットのマイクロチップの装着状況と、このことに関する市としての取組についてお伺いします。 ◎環境市民部参事環境政策課長取扱(高木久光君) では、既に飼っているペットのマイクロチップの装着状況と今後の取組についてお答えいたします。 既に飼っているペットのマイクロチップの装着状況につきましては、県に確認したところ、市町ごとの装着率は出ていないが、あくまで参考として提示していただいた数字では、令和2年度末までの静岡県内の犬、猫のマイクロチップ装着率として、犬の装着率は30%程度、猫については登録制度がなく、母数が不明のため分からないとのことでありました。 今後の取組としましては、既に飼っているペットへのマイクロチップの装着は飼い主の努力義務とされておりますが、迷子対策、災害対策、盗難対策など、動物の適正管理や動物愛護につながるものでありますことから、マイクロチップを装着することの効果、必要性につきまして、広報みしま、ホームページへの掲載、狂犬病予防集合注射案内はがきへの記載などで御案内するとともに、ペット同行避難訓練や防災対策研修会などのイベント等において積極的な啓発を図ってまいります。 また、田方獣医師会、動物愛護団体、ボランティア等と連携し、普及を進めるとともに、ブリーダーやペットショップに対しても国・県と連携し、周知啓発に努めてまいります。以上です。 ◆14番(野村諒子君) 県の報告ですと、犬の装着率は30%ぐらい、猫については分からないとのことですが、マイクロチップの装着は装着費用と登録費用を合わせて1万円程度かかるようですので、ペットには痛みが伴うかもしれないこともあり、既に飼っている家庭では、すぐにメリットが見えないと、努力義務である今の法律ができただけではそれほど増えていかないのかもしれません。 しかし、法改正の目的を考えますと、少しでも多くのペットに装着し、飼い主の責任放棄や飼い主が見つからない不幸がないように、関係団体と共に連携して進めていただきたいと思います。 次に、シルバー世代が抱えるペットの問題と取組について伺います。 犬、猫の寿命は、犬が最長15年、猫は16年ぐらいまでとされていますが、高齢になって飼い直しをした場合、飼い主の病気や独居になったことなどの原因で飼い続けることが困難になるケースもあるようです。三島市に寄せられた問題となるケースの報告状況はどのような内容、件数があるのでしょうか。また、そのことへの取組はどうでしょうか。また、今回の法改正により改善される点など、期待できるものはあるのでしょうか、お伺いします。 ◎環境市民部参事環境政策課長取扱(高木久光君) では、お答えいたします。 市内の各包括支援センターによせられた相談としては、飼い主が入院や施設入所に当たり、引取り先の対応が実際に必要になるケースや今後そのような事態が予測されるケース、飼育環境が劣悪な状況のため、近隣からの相談により介入したケースなど、令和3年度は13件ありました。そのうち市や保健所が介入したケースは2件となっております。 シルバー世代が抱えるペット問題としましては、体力の衰えからペットの世話が負担になったり、記憶力の低下、特に認知症になると給餌やペットの病気に気づかない場合や飼い主が施設に入所したり病院に入院したりすることで、ペットを世話する人がいなくなり、最終的に保健所で引き取られ、処分される場合もあります。 逆に、ペットが先に死ぬことで元気をなくしたり、ペットを大事にするあまり、自分の健康問題が後回しになるなど、様々な問題があります。 しかしながら、シルバー世代にとってのペットは家族やパートナーとして生活に潤いと安らぎを与えてくれるとともに、ペットと触れ合うことで健康寿命が長くなる認知能力低下の予防といった健康面での効果もある一方で、飼い主にはペットが命を終えるまで適正に飼う終生飼養の義務があり、その責務を果たすため、家族と友人など、一時的な預け先やかかりつけ動物病院を見つけておく、基本的なしつけをしておくなど、日頃の備えが必要とされております。 現在の取組状況でありますが、令和3年より地域包括支援センターや社会福祉協議会に対して、動物愛護ボランティアによる高齢者とペット問題についての説明会を実施するとともに、環境政策課と高齢者担当部署が連携する中で、現場で対応するケアマネジャー等、福祉関係者からの情報を共有し、ペットの問題を抱えるシルバー世代の飼い主がいる場合には、動物愛護団体と連携して、引取り先等の問題について対応しているところであります。 今後につきましては、さらに広報みしま、ホームページ、チラシの配布や勉強会の開催などにより、市民、自治会等に広く周知を図り、シルバー世代が安心してペットを飼育できる環境の整備と動物の愛護に努めてまいります。以上です。 ◆14番(野村諒子君) ペットは一緒に過ごす家族にとっては、癒しや安らぎを与えてくれるものであることは誰でも思うところです。また、世話をすることが生きがいややりがいにもなり、一緒に生きようとする力になる効果もあると思います。しかし、高齢世帯や単身世帯では、何らかの理由で突然その世話ができなくなったときには、ペットの生命にも関わる事態になることもあり、近隣からの通報やその現場に居合わせた地域包括支援センターなどからの通報、相談が令和3年度だけで13件あったとの御答弁をいただきました。 このように急に飼育できなくなるケースのほかに、最初はきちんと飼育するつもりで飼っていても、飼い主の健康状態や金銭負担など、何らかの理由により徐々に適切な飼育ができなくなり、周囲で気づいたときには何十匹も猫が劣悪な環境で飼われているケースもあるようです。 ペットの飼育で問題になるケースの中に、多頭飼いをしている家庭で適切な環境で飼育されていないケースがあったのでしょうか。その原因は、避妊、去勢手術をしていないなど、ペットにより増えていくケースが多いようです。このようなケースの場合、相談などの件数はどれくらいあるのでしょうか。また、そのケースの解決にはどのように取り組んできたのでしょうか。今後の取組も含めてお伺いします。 ◎環境市民部参事環境政策課長取扱(高木久光君) では、お答えいたします。 ペットの多頭飼育の報告、相談については、今までほとんどありませんでしたが、今月に入り、ケアマネジャーと動物愛護ボランティアからそれぞれ1件ずつ報告があり、現在、県動物愛護団体と連携し、速やかに対応しているところであります。 ペットの多頭飼いによる潜在的な課題についてでありますが、適切な飼育管理ができないことにより、3つの影響が生じるおそれがあるとされております。 1つ目は、飼い主の生活状況の悪化で、動物の数が飼い主の飼育管理能力を超えると動物のふん尿や食べ残しの餌等の清掃処理が行き届かなくなります。また、生活環境の汚染のほか、臭気や害虫等の発生にもつながり、適正な衛生状態を保つことが困難になるとともに、動物の餌や衛生用品に係る費用をはじめとする飼育コストの増大に伴い、飼い主の経済状況を逼迫させるおそれがあります。 2つ目は、動物の状態の悪化で、飼育場所における衛生状態の悪化は飼い主のみならず動物の健康状態にも影響を及ぼします。また、動物の個体数増加による物理的な過密状態の飼育では、動物の心身のストレス増大につながるとともに、不妊去勢手術への適切な対応が困難になり、さらなる個体数の増加につながります。 3つ目は、悪臭や騒音、衛生動物の発生、感染症の蔓延等を伴う飼い主の生活状況及び動物の状態の悪化が飼い主の住居の内部にとどまらず外部の周辺環境にまで影響が及ぶと、近隣住民の生活環境や健康状態を脅かす場合があります。 このような多頭飼育問題は、飼い主や動物のみならず、飼い主の家族や周辺の近隣住民の生活環境にまで影響を及ぼすものであることから、今後の取組としましては、県、市、高齢者担当部署、動物愛護団体、ボランティアなどと連携して、問題が深刻化する前に飼い主の生活環境、動物の飼育環境、周辺の生活環境における悪化の状況を早期に発見、把握し、それらの状況の改善、解消に向けた対策を講じてまいります。以上です。 ◆14番(野村諒子君) 問題となる多頭飼いは、家庭内で飼育されている場合は表面化しにくい面もあるようですが、高齢化、独居世帯の増加により潜在的な問題として、これからも起きる可能性があることが考えられます。飼育崩壊が起きれば、猫ですと1年に4回出産をしますので、あっという間に計算上は20匹ぐらいに増えてしまうという話も聞いています。このことは、犬、猫の問題だけではなく、飼育している人の生活環境の悪化も意味することになり、これからも独居世帯が増えていくことが予想されることを考えますと、ペット問題はシルバー世帯の飼い主、つまり動物だけではなく人間の課題であるということを捉えて、高齢者担当部署と共に連携を図り、情報を共有し、事態が悪化する前に適切な対応ができる体制を築いていただきたいと思います。 昨今、地域住民のプライバシーへの不介入が当たり前になりつつありますが、人とペットが健康で安心して暮らせる生活環境を維持するためには、関係団体だけではなく、近隣住民のお互いによい意味で理解を深め、見守り合う社会をつくり上げていくことも重要だと思います。そのためには、ペットを飼っていない家庭にも関心を広めていくことも重要です。今後の継続的な取組に期待いたします。 次のテーマに移ります。 三島市の環境基本条例に基づく負荷の少ない持続性に配慮した樹木の環境保全について伺います。 箱根山の麓に位置する三島市は、目に映る周辺の山々の新緑の景色がまちの魅力の1つになっています。また、緑を大切にするだけではなく、町なかを花で彩る取組も行い、ガーデンシティみしまとして、市民だけではなく、訪れた人を緑と花でもてなす取組を行ってきました。そのことで潤いのある、住みやすいまちとしての評価は高まりましたが、それを維持していくことは財政的にも市民の協力も負担が大きくなっていると感じるようになりました。 高度成長期以来、急激に増えた人口に対応し、郊外にできた住宅地は開発から40年以上経過し、公園や学校等公共施設も開設から年数も同じようにたってきています。 現在は、住宅地では高齢化が進み、学校施設では少子化によるPTAの人数も減ってきています。その結果、当初はPTAの協力などで管理されてきた樹木も、成長するにつれ手が回らなくなり、高さを詰めることもなく放置された樹木も見られますし、密集して外部から見えにくい死角をつくっているところも見受けられます。花や樹木があることで得られる効果もありますが、年数がたつことによる管理に要する手間や財政負担が大きくなるのであれば、一度、市内全体の公共施設敷地内の樹木等を見直し、思い切った伐採を行い、数を減らすことや花壇の数や大きさを見直すなど、今後進むことが予想されます高齢化、人口減少に対応した負荷の少ない持続的に配慮した樹木等の管理計画を作成し、適正に管理を進めることが必要と考え、お伺いします。 まず、市街地のスタンディング花飾り等の適切な数量配置の検討について伺います。 2021年度版の環境報告書を見ますと、市街地にはスタンディング式花飾りが112基、街路灯花飾りが91基など、合計で224基が設置されていると報告されています。それらの年間の植え替え回数は5回とされています。 まちを花で飾る意図は、市民にも観光客にも癒しを与え、よいことだと共感します。郊外の花壇管理では私も参加させていただいていますが、基本は年2回の花の苗の提供を受けて行っていますが、そのほかには自主的に宿根草を植えることなどで、なるべく金銭的負担を減らし、1年の四季を楽しめるような管理を心がけています。 市街地と郊外の花壇では、このように2回と5回の植え替えの回数の違いがあります。また、市街地の花壇では、電線地中化に伴って設置された地上機器の両側にスタンディング式花飾りがあり、すぐ横に街路灯花飾りがあるという状況で、3基の花飾りが狭い間隔で並んでいます。本来であれば、歩道はできるだけ広く取りたいところです。 負荷の少ない持続可能な観点から考えますと、街路灯花飾りだけで十分と考えます。三島駅北側地域の地上機器の周りには何も設置されていませんが、すっきりした景観で見通しもよいです。町なかのスタンディング式は管理に手間暇もかかりますし、花スタンドがなくても街路灯飾りだけで十分美しい花が楽しめますので、必要ないのではないかと考えますが、見解を伺います。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 市街地のスタンディング式花飾り等につきましては、連続性を持った花飾りの安らぎ、癒し空間を広げ、人が集う魅力ある緑と花にあふれるガーデンシティを象徴する取組としまして、市民ボランティア団体花サポーターみしまとの協働により維持管理を進めております。月4回程度のボランティア活動があり、この皆様が花飾りの花がら摘み等の維持管理や育苗センターでの植え替え作業を行っております。このほかにも会計年度任用職員1人とシルバー人材センター派遣職員2人とで、ほぼ毎日水やり作業を実施しております。 花や緑の維持管理には手間暇がかかりますが、コロナ禍にあっても花のボランティアや地域等の花壇づくりは増加傾向にあり、花と緑がもたらす多面的効果はますます大切なものになってきているものと考えております。 このような中で、現在、一番町等で無電柱化事業が進められており、町なかから駅前までの花と緑の回廊がつながると同時に、整備に合わせまして自動散水栓の配置や街路灯の花灯りを設置する予定でありますが、現在の大通りと芝町通りのスタンディング式花飾りの配置調整などを併せて進める考えであります。 今後も沿道の皆様の協力を得ながら、財政負担や省力化に配慮した効率的な維持管理方法や管理しやすい工夫をしてまいりたいと考えております。以上となります。 ◆14番(野村諒子君) 三島駅南口駅前の電線地中化も整備されますので、駅前という三島市の玄関でもあり、花で飾りたいのは理解するところですが、今の花飾りの数より相当増えていくことになります。今ある花飾りの数を増やすのではなく、大通りから移動させて、数を増やさない取組も必要ではないかと思います。地域花壇が増えて、そこに関わるボランティアが増えているのはよい傾向だと思いますが、花サポーターの皆さんの負担軽減にも配慮して、今後取り組んでいただきたいと思います。 では、次の記念日の苗木無料配布の状況についてお伺いします。 市では、出生、入学、結婚、新築、住宅の購入の記念として苗木の無料配布を行っています。ホームページを見ますと、提供する苗木は、タイサンボク、キンモクセイ、モッコク、サザンカ、イチョウ、ミシマザクラ、ハナミズキ、オリーブ、シマトネリコとし、生垣づくりの推進としてはサザンカやカイヅカイブキ等も提供するとしていますが、どれもかなりの大木になる木です。樹木を記念品として推奨することは、緑を増やすために始まったことだと思いますが、大木になる木を配布することで管理できない状態になり、近隣迷惑の樹木にはならないのでしょうか。また、最近はマンション等のお住まいの方もいますので、花の鉢植え需要もあるかと思います。 過去3年間の記念樹無料配布の状況をお聞きし、配布する木を大木になるものから低木の花木などに変更するなど、種類を再検討することが必要ではないかと考えますが、見解をお伺いします。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 記念樹の配布についてでありますが、三島市では出生、小学校入学、結婚等の記念に苗木を無償配布する、みどりの贈りもの配布事業を実施しておりますが、樹種としましては、ミシマザクラ、オリーブ、ハナミズキ、シマトネリコ等の9種類からお好きな苗木を選んでいただいております。 過去3年間の配布状況ですが、令和元年度はオリーブ65本、ハナミズキ25本、シマトネリコ21本、ミシマザクラ9本など、合計で149本。令和2年度はオリーブ78本、ハナミズキ36本、シマトネリコ44本、ミシマザクラ12本など、合計で199本。令和3年度はオリーブ85本、ハナミズキ30本、シマトネリコ38本、ミシマザクラ18本など、合計で192本となっております。 苗木の種類の見直しにつきましては、大きく成長する木よりも花木の人気が高く、通年配布実績のない苗木もあり、また、マンションにお住いの方等、鉢植えを希望する方も増えてきておりますので、様々な需要に応じた樹種を今後検討してまいりたいと考えております。以上となります。 ◆14番(野村諒子君) 生け垣用の苗木も無料配布しているということですので、生け垣の苦情等の問題はないか、次にお伺いします。 三島市が、高度成長期に増えていた郊外の住宅地も40年以上経過するところも増えてきていますが、道路にはみ出した街路樹が通行の妨げになっているところが、あちこちで見られ、安全面でも問題となり、苦情の原因にもなっています。 このような状況を見ますと、推奨している生け垣用の苗木が果たして適切かどうか、検討する必要もあるのではないかと感じました。 配布資料を見ますと、年3回希望者に配布しているようですが、1メートル当たり3本、おおむね5メートル以上で20メートルまでとされています。単純に計算しますと、希望者1件当たり15本以上60本までとされています。一般住宅地で、これだけの数の木が成長するのを適切に管理し続けることは大変な労力だと思われます。生け垣は道路からの目線を遮断し、プライバシーを守る役目もありますが、一方で、道路からの死角も増えて、防犯上の観点からの課題もあるのではないかと思います。 実は、私の家では、カイヅカイブキの生け垣にしていましたが、10年経過し、垣根が密集した状態の頃に泥棒に入られました。その後、道路側の生け垣は全て伐採し、今は道路から見えるようにすることで、明るく、日当たりもよくなり、管理もずっと楽になりました。 生け垣についての需要はどれくらいあるのか。これまでに提供している苗木の配布本数と、その推移を伺います。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 生け垣の配布についてでありますが、三島市では、みどりと花いっぱい運動推進事業の一環としまして、緑豊かな潤いのあるまちづくりを推進するとともに、地震災害時における避難経路の安全確保を図るため、自宅敷地内で道路や歩道に面している場所を含む隣接地との境に生け垣を新設する方で、苗木配布後、すぐに植栽できる方を対象に生け垣づくり用の苗木を無償で配布しております。 樹種としましては、キンメツゲ、セイヨウイボタ、キンモクセイなど、計13種類あります。配布時期は6月、10月、3月となっており、配布月の前月末日までに申請書の提出をお願いしており、その際には苗木の成長度合いや10年先を見通したデザイン等、生け垣づくりのポイントも案内しております。 また、過去3年間の配布状況ですが、令和元年度は配布件数11件、配布本数はキンメツゲ76本、キンモクセイ26本など、合計で237本。令和2年度は配布件数11件、配布本数はキンメツゲ44本、キンモクセイ87本など、合計で472本。令和3年度は配布件数5件、配布本数はキンメツゲ139本、セイヨウイボタ60本など、合計で229本となっております。 苗木の種類の見直しについてですが、議員がおっしゃるとおり、少子高齢社会で高木の植栽の手入れには手間がかかることから、成長時の手入れの仕方等の生け垣づくりのポイントについて説明しておりますが、今後も低木等で管理面でも喜ばれる樹種や管理方法について調査研究に努め、引き続き丁寧に対応してまいります。以上となります。 ◆14番(野村諒子君) 配布された本数は、今の御答弁ですと、令和元年、令和2年、令和3年では平均すると1件当たり22本、43本、46本となり、大変多くの木が提供されています。提供した件数は、この3年間で11件、11件、5件と理解しました。最近の宅地開発では、隣との間に垣根をつくらないことを推奨し、土地の有効活用と死角をなくし、オープンにすることで安全性を高めるようにしているところも見られます。ブロック塀や生け垣に代わるものとして、管理の簡単なフェンスの垣根を利用する家も増えています。生け垣の無料配布を利用する家庭の件数も昨年の5件というのは、それほど多いとは思いません。市としても、今後もやるべきことかどうか見直す時期に来ているのではないかと思います。 人口減少と高齢化を見据えた管理しやすいまちづくりの観点から、市民に対してどのような住宅地のデザインを推奨すべきか、見直し検討されることを望みます。 次の質問ですが、公園の樹木管理には、安全や快適さを維持する基準はあるか伺います。 最近は、公園等の敷地の中で大きくなり過ぎた木が台風のときに倒れる被害も出ています。公園等では木の高さの基準や一定の高さで下枝を剪定するとか、樹木の下の明るさの基準、樹木の密度などが決められて管理されているのでしょうか。公園等の敷地には死角をつくらず、倒木も起きないような安全面での基準を設けて樹木管理することが望ましいのではないかと思います。 その時、その時の施設管理者の意向や予算の状況で決めるのではなく、あらかじめ基準を基に、優先順位をつけて、適切に管理することが望ましいと考えます。公園等の管理基準についてお伺いします。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 公園の樹木や街路樹は、市民の皆様の身近な緑であり、安らぎや癒しなどの心理的効果を与える緑の快適空間として、また、環境面でも低減効果のある身近な緑として、市民意識調査でも安らぎと緑や花を生かしたまちづくりに対する満足率が最も高く、ますます大切なものとなっております。 その中で、議員御質問の公園等の樹木管理の安全や快適さを維持する基準についてですが、樹木の管理方法としては、剪定については樹木の樹勢を確保するためにも、休眠時期に行うこととしており、管理する公園、緑地だけでも約200か所ありますので、年次計画を立て、安全面から優先づけをするとともに、職員等の巡回はエリアごとに定期的に実施することとしており、適切な維持管理に努めているところであります。 また、地域の身近な緑として、自治会の皆様からも連絡や要望をいただいておりますが、現地確認の際に、倒木のおそれ、繁茂しているなどの場合は職員で剪定等の対応が可能な場合には早急に行い、高木等になる場合は専門業者に依頼することとなりますので、安全確保の上、時間をいただいております。 街路樹につきましては、道路交通機能の確保などの観点から、車道にかかる部分につきましては、交通量等により下枝の高さを4.5メートル以上などと基準を設けています。さらに、コロナ禍で緑のもたらす効果が求められる中、昨年度、公園施設長寿命化計画と公園施設緊急3か年整備計画を策定しております。この計画に基づき、管理しやすい樹種や低木等の植栽も含め、各公園の植栽の特色等を踏まえ、植栽機能ごとに植栽地を分類し、管理目標、管理方法、頻度、費用等を設定する方針としております。以上となります。 ◆14番(野村諒子君) 市内の管理する公園、緑地だけでも200か所あるとのことですが、そこを適切に維持管理することの大変さは理解いたします。 樹木管理が市の財政負担になっている状況も考えられますことから、植樹して大木になり、落葉が多く、日陰をつくり、また、ほかの花木に影響を出しているようなものは、そのまま放置するのではなく、一度思い切って伐採し、必要で適切な樹木だけを残して、管理がしやすくすることが持続可能な管理保全といえるのではないかと考えますが、このような取組はできないのでしょうか。 市内の学校等の公共施設では、開設当初に緑の環境をよくするために植えられた木も、40年も経過しますと、それぞれが大木になり、密集し、死角もできて安全性という観点でも問題が出てきています。 公共施設等総合管理計画では、樹木管理までは視野に入っていないように思いますが、一度、全ての環境を見直す必要があるのではないかと考えますが、見解をお伺いします。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) お答えいたします。 三島市公共施設等総合管理計画や公共施設保全計画におきましては、樹木管理のマニュアルなどは作成しておりませんが、一部の指定管理者制度の施設を除いた建物系の公共施設については、令和5年度からの導入予定の包括管理業務委託に樹木管理が含まれておりますので、導入後におきましては、施設所管課、公共財産保全課、包括管理受託者との間で綿密な協議や調整を行い、現場の状況などを加味した上で適切な樹木管理となるよう努めてまいります。 なお、包括管理業務委託の予算額につきましては、各施設所管課の維持管理に要する費用が統合されることに伴い、樹木管理に要する経費も増大することになりますが、運用面においては施設ごとではなく、大枠での業務の実施が想定されますことから、導入前と比較しますと、より柔軟な対応が可能になるものと考えております。 しかしながら、予算額には限りがございますので、御質問にあります大木等の伐採については優先順位等を定めた上での対応になりますことを御理解いただきたいと存じます。 ◆14番(野村諒子君) 包括管理業務委託の予算の中に樹木管理も含まれているので、柔軟な対応ができるということですが、成長する樹木の管理は決められた予算の中では、大規模な伐採、処理費用などはその年度内の予算では出せないのではないかと思います。 そこで提案ですが、学校との包括的管理業務委託をする前に、思い切った樹木の剪定や本数を減らし、その状態を維持することを条件に業務委託するほうが、今後も整った環境を維持できるのではないかと思います。 令和3年度決算では余剰金が出るのではないかと思いますが、先ほどの石井議員の資料の中でも、そのことが少し見られましたが、将来に負荷をかけないために一度、思い切った伐採、処理費用等の樹木管理に使うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) お答えいたします。 当市におきましては、環境基本計画の温暖化対策の取組の中で、緑地の保全と緑化の推進を掲げていることやゼロカーボンシティ宣言を表明していることなどから、倒木などの危険性があるもの以外は、市内各施設での一時的な樹木の強剪定や伐採は最良な方策ではないと考えております。また、公共施設の敷地内の樹木の中には、適切な日照や日陰をもたらすために計画的に植樹された落葉樹などと共に、シンボルツリーや記念樹など、施設になくてはならないものがあること、さらには、樹木の存在意義についても市民間で多種多様な思いがありますことから、慎重な対応が必要になるものと認識しております。 なお、現状で倒木などの危険性があり、緊急性の高い樹木の管理につきましては、包括管理委託を導入する前に、できる限りの予算措置に努め、対応してまいりたいと考えております。以上です。 ◆14番(野村諒子君) 花の管理では月4回の花がら摘みをしてくださっているとのことでしたが、樹木管理も本来なら剪定や間引きなどを毎年行ってこそ、美しい樹木に成長するのだと思います。しかし、樹木に関しては簡単に素人が剪定を行えるものではありませんので、管理が行き届かないのは仕方がない面もあります。ですから、何年かに一度、計画的に手を加えることが必要だと思います。 ゼロカーボンシティ宣言をしているとはいえ、緑であれば何でもよいということではないのではないかと思いますので、今回取り上げているのは、周辺の花木の成長の妨げになり、電線も枝や葉で浸食しているような大木などのことを取り上げましたので、現場を確認していただき、適切な対処をお願いしたいと思います。 次に、住民との協働による都市公園の樹木及び下草管理についての課題と今後の取組についてお伺いします。 ガーデンシティみしまを推進している中で、年を越した1月になっても、残念ながら、今年ですが、背丈ほどの夏草が繁茂した公園が市内にありました。冬の乾燥時期は火災も心配される状況でした。これは、これまでにない状況で、公園管理に何か課題が起きているのではないかと感じました。地域の自治会でも公園管理には協力してきたと思いますが、公園の樹木、下草管理に関する課題についてお伺いします。 地域の公園については、地域住民の年2回の清掃、除草、枝刈り作業だけでは管理し切れず、市から委託を受けたシルバー人材センターの協力も得てきたわけですが、地域住民も高齢化が進み、清掃作業に参加する人も減ってきています。 そこで、公園ごとに利用する地域住民等による公園見守り隊のような管理ボランティアグループの育成を促し、機材の提供を行うなどして管理の協力をお願いしてはどうかと思いますが、このような取組はあるのでしょうか、お伺いします。 ◎計画まちづくり部長(栗原英己君) お答えいたします。 公園等の樹木及び下草の管理につきましては、水と緑の課で所管する公園、緑地としまして約200か所、街路樹は10地区、41路線、源兵衛川、大場川などの水辺空間等において実施していることから、公園等では平たん地は職員等による直営作業、高所作業や急傾斜地、街路樹、水辺空間等は専門業者への委託により、安全面に配慮しつつ快適な空間づくりを心がけて実施しております。 管理する公園や街路樹等は、都市的土地利用が進めば増える傾向にあることや、昨今の異常気象等により予定どおり作業が進まない場合が出ておりますが、ガーデンシティの取組として、総合計画において協働で花や緑豊かな空間と水辺環境を保全し、潤いと安らぎを創出することを目的に掲げ、市民参加による花と緑のまちづくりを進めており、コロナ禍でも地域課題やボランティアも増加傾向にあります。 この流れは、人や地域にもたらす多面的な効果が求められている各地域の公園においても、ガーデンシティの活動の広がりが期待されているところであります。具体的には、公園ボランティア制度を導入しており、地域のコミュニティーの場、子育ての場、健康づくりの場として、無理をしない、負担にならないことを前提に、自治会等と覚書を交わし、日常の清掃、草刈り、落ち葉拾い等の活動をお願いするなど、花と緑の公園づくりを進めているところで、令和3年度末現在で15地区の自治会と覚書を交わしております。 公園ボランティア活動支援としましては、上限はありますが、用具や消耗機材を支給しております。また、老人会などが自主的に清掃活動を行っている町内もあり、このような地域の自発的な公園愛護活動は、緑を介して活動の原動力となるシビックプライドや生活の質の向上につながり、日常の継続的な地域の絆づくりにもつながっております。 一方、少子高齢社会を見据える中で、環境面はもとより、管理面でも持続性に配慮した管理しやすい植栽や効率的な維持管理の工夫に努めながら、地域の皆様と共に市域全体が癒される美しい三島市になるよう、協働によるガーデンシティの取組を進めてまいります。以上となります。 ◆14番(野村諒子君) 既に15地区の自治会と覚書を交わし、公園を管理していただいているということは理解しました。 市内の樹木の環境保全という観点から伺ってきましたが、高齢化、人口減少社会がますます加速することを考えますと、例年どおりの管理の仕方だけではやり残しが大きい。委託先の責任を追及するだけでは解決できない状態になることも十分考えられます。樹木も花も適正に管理されてこそ美しいと感じるものです。一度、市内全体を見直し、シンボルツリーや必要とされる樹木、花木を選んで、それらの木を浸食し、成長の妨げになっているような、そのような大木は思い切った伐採等で管理しやすい状態にすることも必要ではないかと思います。 ガーデンシティを推進してきた三島市だからこそ、これからも美しいと感じる緑と花を大事にしていくために、計画的に適正な管理を進めることに期待しております。 以上で私の一般質問を終わります。 ○副議長(佐野淳祥君) 以上で、14番 野村諒子さんの発言を打ち切ります。 議事の都合により、ここで休憩いたします。 なお、再開は15時10分の予定です。 △休憩 午後2時52分 △再開 午後3時10分 ○副議長(佐野淳祥君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。--------------------------------------- △宮下知朗君 ○副議長(佐野淳祥君) 次に、16番 宮下知朗君の発言を許します。     〔16番 宮下知朗君登壇〕 ◆16番(宮下知朗君) 通告に従い、1、包括管理委託の導入について、2、入国規制緩和に合わせた環境整備の推進の2点に関しまして一般質問をさせていただきます。 まずは、包括管理委託の導入について伺います。 本6月定例会初日の審議において、包括管理委託を導入するための5年間分の委託費、約25億円の債務負担行為を含む一般会計補正予算案が承認されました。 包括管理委託につきましては、令和3年2月定例会一般質問にて質問をさせていただき、導入に向けて積極的に取り組んでいくとの御答弁をいただいたところであり、以降、多くの技術系職員が配属されました公共財産保全課を中心に、公共施設マネジメントの実施体制の強化を図るため、関係各課と連携し、取り組まれてきたものとお見受けします。 当市が導入目的として掲げております施設の維持管理水準の向上、業務の効率化、将来的なコストの低減が着実に図られますことを大いに期待しておりますが、市民、とりわけ市内事業者の皆様にとっては、先般行われました議員説明会の中でも質問がありましたとおり、新たな試みに対して不安や疑念を感じている部分があることから、こうした不安や疑念を導入前に少しでも払拭することが、円滑に導入していくために必要不可欠なものと考えます。 まずは、包括管理委託の導入検討に当たって実施されましたサウンディング型市場調査の結果をどのように考察されたのか伺います。 次に、入国規制緩和に合わせた環境整備の推進について伺います。 5月26日、政府は6月10日から1日の入国者総数を2万人に引き上げるとともに、入国時検査実績で陽性率の低い国については、入国時検査を行わずに入国を認めることとするほか、実証事業とガイドラインの策定を受けて、6月10日から添乗員つきのパッケージツアーでの受入れを再開することを公表いたしました。 観光庁の公表する訪日外国人の消費動向によりますと、2019年の訪日外国人旅行消費額は4兆8,135億円とされており、段階的な緩和措置とはいえ、円安も重なり、訪日需要がますます高まる中での外国人観光客の受入れ再開は、新型コロナウイルス感染症によって大きな打撃を受けております観光業や地域経済の回復に大きな効果をもたらすことが期待されます。 静岡県東部地域の交通結節点、富士山、伊豆、箱根の玄関口である当市におきましても、国の動向や感染状況を見極めながら、来るべきときに備え、外国人観光客の興味を引くための情報発信、そして、来訪者に、来てよかった、また来たいと思っていただけるよう、改めて環境整備に取り組むことが、今後のさらなる活性化に直結するものと考えます。 まずは、今年3年ぶりに行動制限がない大型連休となったことから、当市にも大変多くの方が訪れたものと思いますが、行動制限の解除、そして、今回の水際対策の緩和を受けて、市内来訪者の動向をどのように捉えているのか伺います。 以上、壇上からの質問とし、以降については質問席から質問させていただきます。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 包括管理委託導入に向けたサウンディング型市場調査の考察についてお答えいたします。 まず、サウンディングの参加事業者数から申し上げますと、13者に御参加いただき、参加事業者の業種分類といたしましては、他の自治体で包括管理業務委託の実績がある事業者が3者、指定管理業務や民間ビルメンテの実績がある事業者が4者、市内建設事業者が1者、点検業務等の現受託者である市内事業者が4者、駐車場管理事業者が1者となっております。 主な調査項目の結果につきましては、導入するメリットとして包括管理受託者の専門的な見地による維持管理水準向上と均一化、日常的な自主点検による安全性の確保、適切な劣化診断による将来の改修コストの低減、日常的な実施点検と合わせた軽微な破損部の補修による緊急修繕費の抑制、このほか、包括的な業務委託を行う施設所管課職員の事務量の軽減などが考察されます。 一方、デメリットといたしましては、マネジメント業務に係る直接経費の増加、施設所管課職員の管理意識の低下、地元事業者の不安感などがあると考えています。 次に、対象とする施設や業務につきましては、当市の想定したものが、おおむね可能との回答を得ることができました。また、コストの低減の可能性につきましては、維持管理システムを用いたデジタル化の推進や業務区域内をエリア管理することでの業務効率化、専門的な見地による業務内容の過剰部分の見直しなどにより、費用負担の低減が期待できるとの見解も示されております。 市内の事業者や高齢者団体等の活用については、参加した全ての事業者が地域経済の貢献や業務を円滑に移行させることを目的として、積極的に活用できるとの回答をいただいております。 以上のようなサウンディング型市場調査の結果を受けまして、現状の施設管理の課題をおおむね解決できるものと考えており、当市が導入目的としている施設の維持管理水準の向上、業務の効率化、将来的なコストの低減が十分達成できるものと考えております。以上です。 ◎産業文化部長(西川達也君) 私からは、外国人観光客の市内来訪動向についてお答えをいたします。 政府は、世界が訪れたくなる日本を目指すべく、2016年3月に新たな観光ビジョンを策定し、訪日外国人旅行者数や消費額等の数値目標を掲げるなど、観光先進国の実現に向けた取組を推進しております。 観光庁が発表した2019年度における訪日外国人旅行者数は約3,188万人、旅行消費額は4兆8,135億円と試算されていましたが、2020年4月から新型コロナウイルス感染症の水際対策による外国人の入国制限により、旅行者数は412万人、消費額は7,446億円まで激減をしております。 また、静岡県における外国人客の1人1泊を単位とする延べ宿泊者数が、2019年度は約249万人泊だったのに対し、2021年度は約9万7,000人泊と、2019年度との比較で96%のマイナスとなっており、三島市においても同様の状況であったと推察されます。 本年度に入り、観光需要が少しずつ戻ってくる中で、今年のゴールデンウイークは3年ぶりに行動制限がない大型連休となり、市内では楽寿園など、主な観光施設において期間中、合計で19万5,000人の集客があり、前年の2021年と比較し、5割程度増加をいたしました。 このような中、政府は本年6月1日から新型コロナウイルス感染症の水際対策を緩和し、1日当たりの入国者数を1万人から2万人に倍増させるとともに、6月10日からは98の国や地域に限定し、観光目的の入国を再開いたしました。このため、今後国による訪日外国人旅行者の受入れが段階的に拡大されることが想定され、同時に三島市を来訪される外国人旅行者も増えていくものと予想をしております。以上となります。 ◆16番(宮下知朗君) それでは、包括管理の導入より再質問をさせていただきます。 サウンディング型市場調査には、ほかの自治体で包括管理委託業務の実績のある事業者のほか、指定管理業務や民間のビルメンテナンスの実績がある事業者、市内の建設会社、点検業務等の現受託者など13者に御参加いただき、対話を通して、様々な御意見、御提言をいただけたことは大変貴重な機会となったものと推察するとともに、包括管理の導入が当市の抱える課題をおおむね解決し、目的を達成できるものであるとの手応えを感じる機会になったと理解をさせていただきます。 一方で、サウンディング型市場調査の中で明らかとなりましたマネジメント業務に関わる直接経費の増加や施設所管課職員の管理意識の低下、地元業者の不安感などをデメリットとして挙げられた内容につきましては、導入前に解消できるよう努めるべきと考えます。 まず、包括管理委託導入により、新たにマネジメント業務に関わる直接経費が増加するわけですが、導入目的として掲げております将来的なコスト低減の考え方について見解を伺います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 包括管理委託導入における将来的なコストの低減につきましては、短期的な効果と長期的な視点による効果、さらには、導入による間接的な効果があると考えております。 まず、短期的な低減効果につきましては、導入見込みである維持管理システムを用いたデジタル化の推進や業務区域内をエリア管理することでの業務効率化、専門的な見地による業務内容の過剰部分の見直しや適切な修繕手法の選定、さらには、包括管理受託者が自ら行う手直し修繕など、包括管理委託の最大の利点である合理的な対応によりコストの低減が可能になるものと考えております。 次に、長期的な視点での将来的な低減効果につきましては、定期的に実施する施設点検データなどを一元的に管理することで、劣化の進行具合などを的確に把握することができ、長寿命化を図る改修工事などを実施する際には、コスト面を考慮した計画的な工事規模を設定できることから、将来を見据えたライフサイクルコストの低減につながるものと考えております。 また、間接的な低減効果としましては、包括的な管理委託を導入することで、施設所管課職員の業務量の低減につながり、行政コスト低減が図られます。 これらのことから、デメリットとされているマネジメント業務に係る直接経費の増加分を加味しましても、当市が導入を検討している包括管理委託において、将来的なコストの低減ができるものと考えております。 ◆16番(宮下知朗君) 短期的にはデジタル化やエリア管理などの業務効率化、専門的な見地からの手法選定などの合理化によるコスト低減、長期的には一元管理したデータ活用によるライフサイクルコストの低減、また、間接的な効果として施設所管課職員の業務量低減による行政コストの低減が図られることで、マネジメント業務に関わる直接経費の増加分を加味したとしても、将来的なコスト低減ができると見込まれていることを理解をいたしました。 続いて、地元事業者の不安感について、先般行われた議員説明会でも質問がありましたように、包括管理委託の導入が仕事にどう影響を及ぼすのか不安を感じている市内事業者は多いものとお見受けします。今回、包括管理委託の優先交渉権者を公募型プロポーザルにて決定していくとのことでありましたが、プロポーザルにおける審査では一般的に考えますと、実績のある事業者が有利になり得るものと考えます。包括管理委託の受注実績のない会社、市内事業者についても公募型プロポーザルに参画できる体制を取っていただきたいと考えますが、想定しておりますプロポーザルのスキームについて伺います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 包括管理委託の公募型プロポーザルの実施要領を作成する前の段階ですので、現時点における想定としてお答えさせていただきます。 当市としましては、包括管理委託の実績の有無にかかわらず、多くの事業者が公募型プロポーザルに参画できるようなスキームを検討しており、市内事業者による参画も可能にしたいと考えております。また、総括責任者の要件としましては、ビルメンテナンス等の業務責任者として複数年の実務経験を有することやマネジメント能力及びコミュニケーション能力を有する者の選任を想定しております。 いずれにいたしましても、公募型プロポーザルの実施においては、包括管理委託を導入する目的を達成するだけではなく、参画事業者からの付加価値サービスについての提案を大いに期待しており、市内事業者を含めた競争性も確保していきたいと考えております。 ◆16番(宮下知朗君) 現時点での想定とのことでしたが、参画事業者からの付加価値サービスについての提案を大いに期待しており、市内事業者を含めて競争性についても確保していきたいとのことでした。このことによって、多くの事業者に御参加いただくことはもちろん、それぞれが積み重ねてこられましたノウハウを十分生かした魅力ある提案が数多くなされることを期待したいと思います。 次に、包括管理受託者自らが行う手直し修繕以外の委託、修繕業務について、現在は市内事業者にその多くを担っていただいておりますが、例えば、市外事業者が優先交渉権を得た場合、既に取引実績のある地元ではない協力事業者を多く活用することも想定され、その結果として、市内事業者の受注機会が奪われてしまうことも考えられます。もちろん、業務の質が担保されることが大前提とは考えますが、市内事業者の受注機会を担保することのできるよう、プロポーザル実施要領に明記するなどの配慮を求めたいと考えます。市内事業者の受注機会に対する市の見解を伺います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) お答えいたします。 当市の令和3年度の委託業務における市内事業者の受注割合については、件数ベースで約6割、金額ベースで8割強となっており、緊急修繕においては件数及び金額ベースともに約9割となっております。 包括管理委託における受託者の役割は、監督者の立場から統括マネジメントに関する業務を担うことであり、受託者が市外事業者となった場合でも、直接的に携わる業務委託や緊急修繕については従前どおりに担保されているため、市内事業者への受注機会が奪われることはないものと理解していますが、プロポーザル実施要領の作成段階においては、市内事業者への受注機会の確保並びに増加を目的として、現行と同等水準か同等以上の活用を明記するように選定委員会におきまして検討していただこうと考えております。 したがいまして、包括管理委託導入の初年度におきましては、受注割合はそのまま変わらないものと認識しており、2年目以降においては業務内容やエリア管理の見直しなどにより、市内事業者の個々の活用については多少の変化があるものと想定しています。 また、当市の包括管理委託に参加意欲を見せている事業者の中には、民間建物において維持管理業務の実績が豊富な事業者も含まれていることや、他の自治体においても近い将来、包括管理を導入していくものと考えておりますので、市内事業者の対応力が他市町の受託者に評価されることで事業拡大の可能性、チャンスもあるものではないかと想定しております。 いずれにしましても、包括管理委託を導入している先行事例やサウンディング型市場調査の結果などから、市内事業者の受注機会が担保されることが包括管理委託の持続的な維持管理に向けた成立要件となりますので、公募型プロポーザルの実施要領の作成において、地元事業者の不安感を払拭していきたいと考えております。以上です。 ◆16番(宮下知朗君) 引き続き伺います。 仮に包括管理委託者が自社利益を追求するようになった場合、委託修繕を請け負う事業者が、そのしわ寄せを受けて低価格で受注せざるを得ない状況、いわゆる買いたたきが起こることも想定されます。適切な対価で請け負うことのできる環境を守るためにも配慮が必要と考えますが、低価格受注を防止するための対応について市の見解を伺います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) 包括管理委託導入による地元事業者の不安感の一因として、低価格受注があるのではないかという御心配ですが、当市といたしまして、法定点検等の業務委託費については、現状の点検業務等の仕様書で、過度に実施している項目や頻度等の見直しを求めており、単にコストの低減を求めているわけではありません。また、緊急修繕費におきましても、包括管理の受託者が施設点検などで発見した簡単な手直しなどをその場で実施してもらうことで費用負担の抑制ができますが、受託者がその場で修理できないものは市内事業者へ発注することになりますので、市内事業者が受託する費用のしわ寄せは発生しないものと考えております。 なお、包括管理委託の導入後におきましては、業務の品質や下請事業者との契約状況などを確認し、三島市が定期的にモニタリングを実施することで市内事業者が低価格受注、買いたたきを受けることのないよう十分に配慮してまいりたいと考えております。 ◆16番(宮下知朗君) 金額ベースで委託業務の約8割強、修繕業務の約9割を担う市内事業者が、包括管理委託導入後も受注機会を失うことのないよう、プロポーザル実施要領の作成段階において、現行と同等の水準か同等以上の活用を明記すること。また、低価格受注につきましては、契約状況の確認や定期的なモニタリングを行うなどの配慮を検討されていることを確認させていただきました。 近い将来、ほかの自治体においても包括管理委託を導入する可能性があることなどから、市内事業者の対応力が評価されることにより、今後、事業拡大の可能性も想定されるとのことですので、市内事業者の不安を少しでも解消し、御理解、御協力をいただけるよう、進捗に合わせた丁寧な説明をしていただくようよろしくお願いいたします。 次に、包括管理委託導入後における公共財産保全課の役割期待について伺います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) お答えいたします。 包括委託の導入後につきましては、公共財産保全課が市側の窓口となり、包括管理委託における取りまとめを行います。主な役割といたしましては、施設所管課と包括事業者の連絡調整、法定点検等の業務委託や緊急修繕の実施状況の確認、持続的な体制を構築するためのモニタリングの実施、対象施設や対象業務の追加等の調整など、包括管理導入後の運用において、これまで以上の役割を担うことになります。また、包括管理業務委託の導入を契機に、施設の維持管理状況をデジタル化し、現状の分析や今後の計画、検討に活用することにより、公共施設マネジメントの円滑な運用につなげる業務を公共財産保全課が主体となり実施していくことになります。 ◆16番(宮下知朗君) 導入以降、公共財産保全課の役割期待はさらに大きくなるものと理解をさせていただきます。 デメリットとして挙げられておりました施設所管課職員の管理意識の低下が発生しないよう努めていただくとともに、導入効果を最大限発揮できるよう、御尽力いただきたいというふうに考えますが、包括管理委託の導入効果につきましては、長期的に見ればコスト低減という形で見えてくるものと思いますが、短期的には可視化しにくいものもと考えています。また、導入効果として期待する将来的なコスト低減や業務効率化も重要ですが、市民、利用者の皆様が、これまで以上に各施設を安全・安心して快適に利用できる環境の維持、向上という視点も忘れてはならない重要な指標であると考えています。 市民、利用者の目線から、維持管理水準の向上などが図られているかどうか検証し、発信していくことが包括管理委託に取り組む意義を、より高めるものにつながるというふうに考えますが、導入効果の検証、発信に対する市の見解を伺います。 ◎財政経営部長鈴木昭彦君) お答えいたします。 包括管理委託の導入効果の検証につきましては、導入に伴うメリット、デメリットの動向をはじめ、当市の導入目的である維持管理水準の向上、業務の効率化、将来的なコスト低減の達成状況などが主なものになると考えております。 導入効果の検証方法といたしましては、包括管理受託者に対してのモニタリング調査や施設所管課及び施設利用者に対しての満足度調査、市内事業者に対してのアンケート調査などを想定しております。 いずれにしましても、導入効果の検証には長い期間を要するものもございますので、短期的な効果など、検証結果が得られたものについては、その都度、情報発信していきたいと考えております。以上です。 ◆16番(宮下知朗君) 全国的にも、まだ導入事例の少ない先進的な取組ですので、導入効果をしっかりと検証し、必要に応じて対策を講じていくことが目的の達成に必要不可欠であるというふうに考えます。 人口減少や厳しい財政状況が続いていることを踏まえますと、包括管理委託の導入は今後、三島市の公共施設マネジメントにおいて重要な役割を担う取組と認識しております。 引き続き、市民、市内事業者の皆様の御理解、御協力が得られるよう、丁寧に取り組まれることをお願いしまして、入国規制緩和に合わせた環境整備の推進に関する再質問に移らせていただきます。 3年ぶりに移動制限のない大型連休となりましたゴールデンウイークにおけます市内主要観光施設の集客状況は、前年比およそ5割増加したとのことですが、2021年度、静岡県における外国人客の延べ宿泊者数は2019年度比、96%のマイナスと非常に大きいことから、従前のようなにぎわいは、いまだに取り戻すことができていないこと。そして、段階的な受入れ拡大に併せて、外国人旅行者が増加することは容易に想像できるものと思います。 インバウンド需要の大きい富士山、箱根、そして、伊豆半島への玄関口である本市は、拠点機能の強化や戦略的な施策を展開することによって、持続的、発展的にインバウンド誘客可能な仕組みを構築するために、2020年から2024年の5年間を計画期間とする三島市インバウンド誘客戦略を策定しております。 しかしながら、感染拡大に伴う移動制限や水際対策の強化などによります観光需要の落ち込みや感染症対策に最優先で取り組まれてきたことから、本戦略に定めた具体的な取組は停滞せざるを得なかったものと推察いたします。段階的な受入れ再開に合わせて、再び各施策に計画的に取り組んでいくことが、いち早く観光需要を取り戻すためにも必要なことと考えますが、受入れ環境を整備するための戦略に掲げておりますWi-Fi環境の整備は、観光庁が実施しております訪日外国人旅行者の受入れ環境整備に関するアンケートにおいて、例年上位に上がっていることから、計画的な整備が必要と考えております。当市のWi-Fi環境の整備状況について伺います。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 旅行者にとって滞在時における情報源の多くは、SNSやウェブサイトからの情報と言われております。特に訪日外国人観光客にとっては、ウェブサイト等の閲覧に当たり、使用パケット料が問題となることから、無料Wi-Fi環境整備が必要であると考えられ、三島市内においても市の庁舎をはじめとする公共施設、三嶋大社や白滝公園、山中城跡、三島駅周辺及び本町交差点など、無料Wi-Fi環境整備を行っております。 この無料Wi-Fiスポットの周知については、多言語対応の公式観光情報サイトである「IZUPASS」の観光マップ上に掲載し、飲食店や土産物店、観光スポットの情報とともに、分かりやすく情報提供を行っております。 しかしながら、2020年3月に策定した三島市インバウンド誘客戦略の評価指標として設定しております「IZUPASS」に登録されている市内Wi-Fiスポット数は33か所と、コロナ禍における観光需要の落ち込みから停滞している状況でございます。以上となります。 ◆16番(宮下知朗君) 多言語対応の公式観光情報サイト「IZUPASS」に登録されているWi-Fiスポット数は33か所と、コロナ禍による観光需要の落ち込みから停滞している状況とのことでした。 続いて、同アンケートにおいてWi-Fi環境同様、例年上位に上がっております多言語化の対応についてはいかがでしょうか。対応状況を伺います。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 多言語化対応についてでございますが、外国人旅行客が簡単に観光情報を収集できる多言語観光サイトの開設や多言語への対応を可能とする案内表示、看板の設置等について、2015年度より段階的に整備を進めております。この多言語観光サイト「IZUPASS」は、12の言語による伊豆エリア各自治体の紹介や食事場所、観光スポット等、簡単に探すことができる観光マップを掲載しており、三島市及び周辺自治体の観光情報が円滑に情報収集できる観光サイトとなっております。 また、三島市のホームページ内におきましても、多言語観光スマートフォンサイトを開設し、三島市へのアクセス方法や最新の飲食店、買物情報など、本市の観光情報を掲載しております。 これら多言語観光サイトには、市内各所に設置している案内表示や看板からリンクできるQRコードを掲載し、滞在中の外国人観光客が快適に観光できる環境の整備や、さらに市内飲食店や土産物店、34店舗に対し、多言語音声翻訳機の導入費用の補助を行うなど、環境整備に努めてきたところでございます。 しかしながら、先ほど申し上げましたとおり、市内のWi-Fiスポット整備や多言語観光スマートフォンサイトの体験メニュー数の増設につきましては、コロナ禍における観光需要、外国人観光客の減少により計画的に進んでいない状況にありますので、訪日観光客の受入れ再開などを踏まえ、利用しやすい環境となるよう計画的に整備を進めるとともに、三島市観光協会と連携し、三島市を訪れる外国人観光客に対し、上質なおもてなしができるよう整備環境のPRに努めてまいりたいと考えております。以上となります。 ◆16番(宮下知朗君) 多言語化の対応につきましては、多言語観光スマホサイトの開設や案内表示、掲示板へのQRコードの掲載、多言語音声翻訳機の導入補助などを行っているとのことですが、まちなかリノベーション推進計画の各種調査結果において、多言語化が進んでいないとの御意見もあることから、まだまだ充足しているというような状況には至っていないものというふうに考えます。コロナ禍における観光需要の落ち込みから、受入れ環境整備が停滞している状況は致し方ないものと理解をいたしますが、感染状況や今後の受入れ再開状況を注視しながら、計画的な整備に取り組まれるよう求めておきます。 次に、コンテンツを充実させるための戦略として、三島市を訪れるインバウンド客に感動の提供をするためにコンテンツ強化を図るとあります。富士山、箱根、伊豆の玄関口としての優位性を生かした魅力あるコンテンツの充実は、今後の誘客につながるものというふうに考えますが、コンテンツ強化の取組状況について伺います。 ◎産業文化部長(西川達也君) お答えをいたします。 三島市には、三嶋大社や楽寿園、箱根旧街道、源兵衛川などの湧水、三島うなぎや三島コロッケ、三島スカイウォークや伊豆フルーツパークなど、歴史文化や自然、食事などの観光素材が数多く存在をしております。これら観光素材の磨き上げや組合せにより、三嶋大社正式参拝ツアーや楽寿館の見学、箱根旧街道の石畳ハイキングなど、三島市の歴史文化に触れ合える体験交流メニューの開発を行うとともに、外国人観光客が興味を抱くような情報を多言語観光サイトに掲載しており、体験ツアーや観光スポットの詳しい内容を写真や動画により分かりやすく説明をしております。 また、観光素材の付加価値を高めるために、楽寿園や白滝公園などに「竹あかり」を設置し、夜の飲食店利用を促進させる、2020年度に実施をしましたナイトタイムコンテンツでは、台湾からの訪日客をターゲットに、三島うなぎや箱根西麓三島野菜を使用した料理を提供したほか、飲み歩きを体験してもらい、好評を博したところでございます。 今後も、このような三島市内の魅力あふれる観光素材の活用を図っていくとともに、箱根旧街道の日本遺産「箱根八里」ブランドによる箱根小田原エリアとの連携や伊豆半島での自転車を活用した街道観光の推進など、富士山、箱根、伊豆へのハブという三島市の利点を生かしたコンテンツの造成についても、引き続き強化を図ってまいりたいと考えております。以上となります。 ◆16番(宮下知朗君) 株式会社日本政策投資銀行が公益財団法人日本交通公社と共同で実施するアジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査によりますと、新型コロナ終息後の海外旅行先として日本はトップと、引き続き高い人気を維持しているとされています。訪日外国人観光客の多くはインターネットを活用し、情報収集を行うことが多いとされておりますので、観光素材の磨き上げや組合せ、富士山、箱根、伊豆へのハブという当市の利点を生かしたコンテンツの充実、そして、充実させた観光素材やコンテンツを映像を用いて積極的に発信していくことが、多くの皆様に三島市の魅力を伝えること、いち早く観光需要を取り込むことにつながるものと考えています。 感染状況や水際対策の状況を踏まえながら、プロモーションを拡充していくべきと考えますが、市の見解を伺います。 ◎市長(豊岡武士君) 宮下議員に、私からプロモーションの拡充に向けた取組についてご答弁を申し上げます。 新型コロナウイルスの感染者数が緩やかに減少していることから、御案内のとおり、政府は約2年ぶりに外国人観光客の受入れを6月10日に再開をいたしました。当面は98の国や地域に限定した添乗員つきパッケージツアーとし、マスクの着用などの基本的な感染防止対策の徹底や新型コロナに関する医療費を補償対象とした民間医療保険の加入義務づけなど、受入れに関するガイドラインを策定し、感染状況を見ながら段階的に進めていくことといたしております。 このような中、三島市におきましても、段階的に緩和される訪日外国人旅行者の受入れを視野に、三島市の魅力を存分に届けるために効果的なプロモーションの展開を図ってまいりたいと考えております。 三島市の旅行業界における認知度向上を目指すため、また、旅行業界における情報媒体、メディア等への露出を増やす取組として、各国の販売力のあるオンライン旅行代理店への三島市の魅力を掲載していただくことやトリップアドバイザーなど、口コミサイトの情報分析、課題の立案を行い、特に全国的にも新型コロナ前の訪日外国人旅行者のおよそ8割を中国、台湾、香港、韓国などのアジア諸国が占めていたことから、ターゲットを東アジアや今後、訪日需要の見込まれるタイ、ベトナム等の東南アジアとし、その各国に適したSNSや口コミサイト等のウェブメディアを活用した効果的な情報発信を図ってまいりたいと考えております。 また、美しい伊豆創造センター、会長を務めさせていただいておりますけれども、ここや副会長を務めている静岡県観光協会と連携いたしまして、外国人旅行者は三島市だけで完結するわけでございませんので、こうしたところと連携していくということが大変大事であるわけでございます。 また、外国人観光客向け旅行商品開発のための海外観光事業者の受入れとともに、静岡県海外事務所や三島市観光協会などと連携し、情報発信、プロモーションの強化と海外セールスやメディアプロモーション等の取組を積極的に展開してまいりたいと考えております。 先ほど、東南アジア等、あるいは外国からの訪日観光を希望している人が大変多いということをおっしゃいましたけれども、私も美しい伊豆創造センターの会長として、2回ほどタイへと、営業活動に行ってまいりましたけれども、タイの国際観光博は3日間で50万人以上の若い人たちが訪れてくるわけですね。そこに美しい伊豆創造センターも紹介の場所をつくりまして、伊豆半島を知っているかということを聞きましたら、あまり知らないけれども、では、知っていることは何ということを聞きますと、そして、どういうところに行きたいですかと聞きましたら、まず第1が河津の桜、2番目がイチゴ狩り、3番目がスカイウォークだと、こんなような回答があったところでございまして、今後大いにそうした東南アジアからの三島や伊豆半島へお越しくださる観光客は十分見込めるというふうに思っているところでございます。 いずれにいたしましても、これまでに申し上げました環境整備を行っていくことで、多くの外国人観光客が三嶋大社や楽寿園などの様々な観光施設を訪れていただき、三島の自然や歴史、文化に触れてもらえることは大変ありがたいことだと考えております。そのためには、改めて三島市インバウンド誘客戦略に示された富士山、箱根、伊豆をつなぐハブ機能、観光誘客による産業振興、地域活性化、地域の自慢を売り、外貨を稼ぐための取組を積極的に行ってまいりたいと考えております。 早くその外国人観光客が全面的に入国制限がなくなって、大勢来てくださることを期待いたしているわけでございます。そういう中で、観光は大変裾野の広い産業でございますので、力を合わせて、この三島市をはじめとした伊豆半島、また、静岡県の発展のために努力していきたいと考えているところでございますので、よろしくお願い申し上げます。以上であります。 ◆16番(宮下知朗君) 新型コロナウイルス感染症に対する不安はいまだに拭い切れないものというふうに考えますが、感染状況を見ながら、段階的に平時同様の受入れを目指していくという国の動きに連動し、三島市インバウンド誘客戦略に示された取組を着実に進めていくことが、いち早くにぎわいを取り戻すため、そして、地域経済の活性化につながるきっかけとなるというふうに感じております。 これまで以上に市長に答弁いただきましたが、関係団体であったり近隣自治体と連携を図りながら、富士山、箱根、伊豆をつなぐハブ機能としての魅力を最大限生かすための環境整備に積極的に取り組まれることを期待をし、一般質問を終わります。 ○副議長(佐野淳祥君) 以上で、16番 宮下知朗君の発言を打ち切ります。 議事の都合により、ここで休憩いたします。 なお、再開は16時10分の予定です。 △休憩 午後3時54分 △再開 午後4時10分 ○副議長(佐野淳祥君) 休憩を閉じ、会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。--------------------------------------- △土屋利絵君 ○副議長(佐野淳祥君) 次に、18番 土屋利絵さんの発言を許します。     〔18番 土屋利絵君登壇〕 ◆18番(土屋利絵君) では、一般質問させていただきます。 先日、朝日新聞に衝撃的な記事が載っていました。 江戸川区で76人に1人が、ひきこもり状態にあるというアンケート結果です。30代から50代の働き盛り世代に多く、9割が家族などと同居しているということです。引き籠っているのは3割が子どもで、2割近くが配偶者やパートナーということです。高齢の親が中年の子どもを支える8050問題だけでなく、30代から50代の働き盛りの世代の配偶者やパートナーが引き籠っている御家庭が多いことが分かりました。 ひきこもりの原因として「長期の療養が必要な病気にかかった」が20%と、最も多かったようです。確かに、がんになる人は2人に1人と言われますが、精神疾患を持つ方は、統計でいえば、この15年で165万人増え、400万人近くになっています。高齢者等の認知症患者が増えているという要因もありますが、鬱病患者が6人に1人と言われているように、誰もが何らかの疾患を抱えながら生きていく時代ともいえます。 一方では、国において高齢になっても病院や施設ではなく在宅での福祉を充実させる方向に動いています。当然、家庭で要介護者を見る家族の負担は増えています。今、3組に1組が離婚していますし、家庭を組織する人数は少なくなってきている状況、そして、江戸川区の調査でも分かりましたが、働く世代であるお父さん、お母さんが、もし、何かしらの疾患にかかってしまったら、当然子どもたちも支え手として頑張らなくてはなりません。 今、家庭において家事、育児や介護をしているヤングケアラーが国会でも議論され、支援のための法整備が進んでいます。三島市はどうしていくのでしょうか。 静岡県は先日、ヤングケアラーについて実態調査の結果を公表いたしました。家族のケアをしているとした児童生徒は全体の4.6%、22人に1人に上ったとのことです。全国的には、小学生の15人に1人、中学生の16人に1人とも言われていますが、家族内での支え合いは、いわば当然であり、そのことで知らず知らずに子どもに頼り過ぎてしまう親、そして、その日常が当然すぎて、自分がヤングケアラーとは理解していない子どもたちも大勢いるのではないかと思われます。 家族同士での助け合いは当たり前だという意見もあります。しかし、学校に行けなくなってきたり、精神的に独りで抱え込んでいたり、睡眠時間なども削らなければならなくなったり、一定のレベルを超えるようであれば、大人の助けが必要です。ヤングケアラーはヤングでは終わらないという話も伺いますが、18歳になれば全て終わる保障もなく、進学や就職を諦めざるを得ない場面も出てくるでしょう。子どもたちに手を差し伸べる見極めが非常に大切です。 これからますます家族の単位が縮小していく時代、また、精神疾患を持つ人、持病を持つ人が増えていくことが考えられますので、ヤングケアラーについても増えていくことを念頭に置いておかなければなりません。 三島市は、そのためのアンケート調査を行っていますが、その結果と課題について伺います。 ◎社会福祉部長福祉事務所長(水口国康君) 実態調査と課題についてお答えいたします。 本市におきましては、ヤングケアラーの市内における実態の把握と今後の対策案検討のための基礎資料とするため、昨年9月に市内公立中学校に通学する全生徒を対象としたアンケート調査を実施いたしました。本調査において「ヤングケアラー」という言葉をこれまで聞いたことがありましたかという問いに対して、「聞いたことがある」と答えた生徒は3分の1にとどまっており、これによりヤングケアラーについての認知度がいまだに高くないという結果でございました。 このことを受けまして、ヤングケアラーについての正しい理解が進むよう、教職員や地域の方々に向けた周知啓発が必要であると考えているところでございます。以上でございます。 ◆18番(土屋利絵君) 「ヤングケアラー」という言葉を知っている子どもが全体の3分の1だったという程度で、残念ながら三島市の状況把握というレベルには至らなかったのかなと思います。 再度しっかりとした数字の把握に向けて動いていくことが必要です。まずは、子どもたちが、自分自身がヤングケアラーだと認識するためには、先生方がヤングケアラーというものを子どもたちに伝える力と見つけていく力、この両方を身につけていかないとなりません。 今年度、先生方の研修が始まるようですが、どのような研修を予定しているのか伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) ヤングケアラー問題に関する教職員の研修についてお答えいたします。 これまで児童生徒が自分自身の置かれている環境に疑問を抱くことなく生活しているケースや、ある程度の自覚はあるものの家庭内の問題については学校等に相談しにくいケースがあったもののと推察されます。このような状況からも、児童生徒自身がヤングケアラーについて理解し、必要な支援を求めることができる体制づくりをするとともに、日頃から共に過ごす時間の長い教職員がヤングケアラーの概念を理解する必要があると考えます。 この際、厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業により、令和4年3月にまとめられた多機関・多職種連携によるヤングケアラー支援マニュアルに示された内容をヤングケアラー発見の判断基準とし、福祉部門の支援につなげていきたいと考えております。 市教育委員会では、これまでも校長会議、教頭会議、養護教諭研修会及び生徒指導担当者会の折に、ヤングケアラーへの理解を深めるとともに、その相談等への対応について研修を推進してまいりました。今年度は子育て支援課と協力し、教職員を対象に実施するスキルアップ研修会において、外部講師を招聘し、ヤングケアラーの現状と課題、ヤングケアラーの理解と関わりについて学ぶことを計画しております。 研修に参加した教員が自校において伝達等を行い、ヤングケアラーの理解を深めるとともに、支援対象者の早期発見や解決に向けた関係機関との連携に努めてまいります。 ◆18番(土屋利絵君) まずは、先生方がしっかりと理解をし、子どもたちに伝えられるようになることで、初めて子どもたちはヤングケアラーというものを正しく認識していきます。そのときに、改めて小学生、中学生の子どもたちの実態把握に向けて、再度のアンケート調査をしていくことが必要に思います。 しかし、実態把握という点においては、家庭訪問が本来そのような役割を担っているのだと思います。御家庭の中を見れば、おのずと見えてくるものがたくさんあるでしょう。子どもたちの家庭状況を把握するチャンスなわけですが、現状はどうなっているのでしょうか、伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) 令和4年度の家庭訪問につきましては、ほぼ全ての家庭を対象とした学校、1年生のみ全家庭を対象とし、他の学年は希望制とした学校、それから、児童の自宅を確認することを目的とした地域訪問を実施した学校等がございますが、現在多くの学校では従来のような家庭訪問は実施しておりません。ただし、訪問する必要が生じた場合には、その都度、個別に家庭訪問を実施しております。以上でございます。 ◆18番(土屋利絵君) コロナのこともあって、ほとんどの学校で現在、家庭訪問は行われていないようです。共働き世帯が多いなど、御家庭の事情もあると思います。残念ですが、仕方ないところもあります。 家庭訪問以上の取組が求められるわけですが、代わりの取組について伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) 家庭訪問に代わる取組についてお答えいたします。 各学校は、教育相談や生活アンケートを実施することで児童生徒の実態把握を行うとともに、気になる現れが見られる場合は個別に声をかけ、必要な支援を行ってまいりました。また、各学校では、国の調査でも示されたヤングケアラーに該当する可能性があると考えられる例を判断基準とし、児童生徒の言動から相談活動を実施しております。 しかし、これまでは児童生徒及び職員ともにヤングケアラーの概念や支援対象等の認識が十分とは言えない中で、真に必要な支援を行うことができなかったケースもあったのではないかと考えております。例えば、これまでは家事を進んで手伝う児童生徒には、「いつも頑張っているね」と肯定的な声かけをすることがほとんどでしたけれども、ヤングケアラーの概念を理解することで、過度な負担を強いられ、子どもの権利が守られていない可能性があることに気づくことができるようになると考えます。 先ほどお答えいたしました教職員対象の研修会等を通して、教職員がヤングケアラーについての理解を深めるとともに、児童生徒を見る目を養い、目の前の変化に気づくことができるようになることを目指しております。 なお、ヤングケアラーに該当する可能性がある場合は、学校がスクールソーシャルワーカーと連携し、家庭訪問等を実施して状況を確認したり、子育て支援課を含めた関係機関に連絡したりすることで、支援の拡充につなげております。 市教育委員会といたしましては、支援対象者の早期発見、解決につなげるために、ヤングケアラーの概念等について今後も継続的に教職員及び児童生徒の理解を図るとともに、関係機関との連携を推進してまいります。以上です。 ◆18番(土屋利絵君) 家庭訪問がなかなかできない時代といいますか、玄関の扉を開けていただくことが難しい時代に入ったのかなと思います。私たちは覚悟して支援体制を考えていかなければなりません。 次に、学校側からではなく市役所側、子育て支援課から見たヤングケアラーについての取組について伺います。 ◎市長(豊岡武士君) 土屋議員に私から市側の、行政側の取組につきまして御答弁申し上げます。 ヤングケアラーの特徴といたしましては、見ようとしないと見えない存在、見ようとしても見えにくい存在であると言われています。その理由といたしましては、家庭のケアをしている当事者自身が家族のためなら当たり前のこととして受け入れてしまっていることにより、ケアの大変さを自覚していない、もしくは自覚していたとしても誰にも相談できないと考えてしまいがちであることが指摘されております。 先ほど議員から御紹介もありましたとおり、県においては、令和3年度に県内の小学校5・6年生、全中学生、全高校生を対象としたヤングケアラー実態調査が実施されました。このほどその調査結果が公表されたところでございます。それによりますと、家族のケアをしているのは全回答者の4.6%、およそ22人に1人の割合であったということでございます。 また、子どもたちが担っているケアの内容には、過重な負担でないお手伝いも含まれてはいるものの、ケアをしている子どもの約4分の1が学校生活等への何らかの影響があると回答しているとのことでございます。 一方、三島市におきましては、ホームページ等でヤングケアラーに関する相談窓口を御案内しているところではございますが、子どもたちやその御家族が家庭内のことを外部に相談することに対して、ちゅうちょするなどの心理が働くことなどによりまして、十分な実態の把握が困難な状況でございます。 この実態把握が困難であるという課題に対応していくためには、一人でも多くの方がヤングケアラーについての正しい理解をすることが何より肝要だと考えておりまして、周知啓発への取組が大変重要であると存じているところでございます。 そこで、先ほど教育長の答弁にありましたように、本年度には教職員を対象としたスキルアップ研修におけるテーマの1つとして、ヤングケアラーを取り上げ、福祉部局の職員も同席の下で本研修に臨んでもらうとともに、民生委員児童委員協議会からの要請を受け、ヤングケアラーに関する研修会を実施するなど、学校や市の職員のみならず、広く市民の皆様への周知を進める取組に努めてまいることといたしております。 折しも、一昨日には、こども家庭庁設置法案が成立し、来年4月から子ども政策の司令塔となる、こども家庭庁が発足することとなりました。新組織には、企画、成育、支援の3部門が設置され、少子化や子どもの貧困対策、虐待、いじめ防止等の幅広い問題に取り組むこととされておりますことから、ヤングケアラーに関する新たな対策や支援なども示されるものではないかと期待をいたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、子どもが子どもらしく生活し、心身ともに健やかに育っていくことのできる社会の実現に向けて、積極的な取組に努めてまいることといたしております。以上でございます。 ◆18番(土屋利絵君) ぜひ豊岡市長には積極的な取組をよろしくお願いいたします。 厚生労働省が4月に公表した小学校への調査では、ヤングケアラーと思われる児童を外部につないでいないと答えた学校が42.7%に上り、その理由は、対応の仕方が分からないだったということです。先生方の御努力だけでは解決が難しい課題です。ぜひ教育委員会を各部署が全力でサポートできるよう、オール三島で支援体制を整えていただきたいと思います。 では、家庭での家事や育児を支援する体制について伺います。 高崎市では、この9月から、子どもに代わって家事や介護を担うヘルパーを無料で派遣する事業、ヤングケアラーSOS事業を始めます。各校に2人と考え、60人程度のヤングケアラーを考えているとのことです。子どもたちが担っている内容は、ほとんどが妹や弟の世話、そして、家事ですので、そこの支援体制ができればかなり楽になるのではないかと思います。 三島市の家事、育児に対する支援体制を伺います。 ◎社会福祉部長福祉事務所長(水口国康君) お答えいたします。 子どもたちが担っているケアには、それぞれの家族の状況に応じた様々な対応がございまして、このような仕組みをつくれば解決できるという答えがないことが問題を非常に難しいものとしております。このため、介護保険や障がい児、障がい者に関する制度など、利用できる制度がある場合は、それらを最大限活用できるよう御案内をしているところでございますが、ヤングケアラーにつきましては、現状では制度のはざまと申しましょうか、利用できる制度が少ない状況でございます。 そのような中、先ほど市長の答弁にもありましたとおり、こども家庭庁が設置されますので、子どもに関する様々な政策が強化されることは期待でき、特に、ヤングケアラーに対しては必要な支援を当事者にしっかり届けるという岸田首相の発言にもありましたように、ヤングケアラーへの支援策を柱の1つとする方向性が示されております。 また、地方自治体の取組を促す法整備の検討も行われるなど、適切な支援を届けるための仕組みづくりが各方面で始められているところでございます。 本市における支援を届けるための方策といたしましては、例えば、家庭内での育児にファミリーサポートセンター事業活用の可能性を検討するなど、既存の制度を利用した支援の在り方なども研究していくべきと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、関係する各機関が持つそれぞれの役割を踏まえ、共通した目標に向け、連携を強化していくとともに、国や県の動向を注視し、引き続き、適切な取組を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆18番(土屋利絵君) 答弁されましたように、三島市にはファミリーサポート制度、ファミサポがあります。子どもをサポート会員に預けられる制度です。一緒に御飯をつくることもできると伺います。この制度をヤングケアラーのためにも利用できるようにすれば、本当に違うと思います。早急に検討をお願いしたいところです。 しかし、1つ気がかりなのは、1時間600円かかるということです。これでは金銭的に難しい御家庭が多いのではないでしょうか。本町にある子育て支援センターも最高3時間まで子どもを預けることが可能ですが、こちらも1時間600円です。教育委員会や子育て支援課が必要だと考えた御家庭に対しては、無料にしていく配慮は必要だと考えます。国の方向性が出てくるのと併せて、ぜひ御検討をお願いいたします。 次に、配食支援便の活用について伺います。 子どもたちが御飯を作らなければならない状況であれば、子ども配食支援便、子どもたちにお弁当を配達していく事業ですが、この事業を使っていくことも1つの方法だと考えます。見解を伺います。 ◎社会福祉部長福祉事務所長(水口国康君) 子ども配食支援便の活用についてお答えいたします。 子どもたちが担っているケアの中には、障がいや病気のある家族に代わって買物や料理、掃除、洗濯などの家事を日常的に行っている場合も考えられます。子どもたちにとって、学校から帰宅した後、家族の食事の用意を毎日行わなければならないことが少なくない負担となっていることは、容易に想像できるところですので、この負担を少しでも緩和することが子どもらしい生活を送るために必要となります。 そのため、ヤングケアラーに対する国等の支援制度が十分とは言えない現状においては、本市における既存事業の活用を研究することが大変重要であると考えているところでございまして、様々な理由によって子どもに対する食事の支援を必要としている子育て家庭にお弁当を配食している子ども配食支援事業もその支援策の1つとして活用できる事業であると考えております。 本事業では、令和4年度から1年間の配食上限数を、昨年までの48回から100回に増やしており、また、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた御家庭もその対象とするなど、柔軟な運用を行っておりますので、今後につきましてはヤングケアラーに対する様々な支援の1つとしても有効に活用してまいりたいと考えております。
    ◆18番(土屋利絵君) 玄関の扉を開けていただくことが難しい時代において、大切な事業だと考えます。少しずつ事業を発展させていただいていることは、本当にありがたいと思います。 では、次に、不登校児童に対する三島市の支援体制、今後の方向性について伺います。 ヤングケアラー問題と不登校の問題は関係が深いと考えます。また、新型コロナウイルスも大きな影響を及ぼしています。既に不登校ぎみだった生徒だけでなく、今まで不登校とは縁がなかった、何となく頑張ってくることができた生徒にまで影響を与えたことは想像できます。学校がやっと再開しても、生徒同士の会話が制限され、給食でさえ、黙って食べる取組が続きました。そのため、学校になじめなかったり孤立してしまう生徒が出ているという話も伺います。ちなみに、文部科学省の調査では、2020年度の小・中・高校生の自殺者は過去最多の499人になったと報道されています。まずは、子どもたちを孤立させないことが1つは大切です。 1点目として、三島市のここ5年間の不登校の子どもたちの数の推移と課題について伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) お答えいたします。 三島市における、ここ5年間の不登校の状況でございますが、小学校、中学校ともに増加傾向にございます。令和3年度末時点における不登校の割合は、小学校1.12%、中学校6.04%で、平成29年度の同月と比較しますと、小学校で0.30ポイント、中学校で3.15ポイントの増加となっております。 不登校の原因といたしましては、無気力、不安など、情緒的混乱といった本人に係る理由、人間関係、家庭の状況といった、学校、家庭に係る理由が多くを示しております。中学校においては、学力不振による原因も課題となっております。個々の児童生徒により様々な要因があるため、それらを個別に把握するように努めております。 しかしながら、一度不登校になると、不登校を継続してしまう傾向が見られるという課題もあることから、各学校においては、新たな不登校を生じさせないよう、授業改善への取組、行事や人間関係づくりプログラム等を通じての児童生徒間の絆づくり等、魅力ある学校づくりを進めることで、その未然防止に努めております。以上です。 ◆18番(土屋利絵君) 不登校の子どもたちが増えているということです。中学校では6.04%まで増加しているということは、中学校だと子どもが50人に対して3人いるわけですから、クラスだと2人はいるということになるでしょうか。まずは、不登校になった子どもが置かれている状況把握、なぜそうなったのか、どうしていけばいいのか、明らかにしていかないとならないと考えます。三島市の現状について伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) お答えいたします。 令和元年10月に、文部科学省より発出された「不登校児童生徒への支援の在り方について」の中で、学校等の取組の充実の例として、児童生徒理解支援シートを活用した組織的、計画的支援が紹介されております。 市教育委員会では、それ以前の平成30年度から三島市版児童生徒理解教育支援シートを作成し、一人一人の不登校児童生徒について各校でケース会議を実施するよう取り組んでまいりました。ケース会議の実施においては、学校からの要請に応じて指導主事を派遣したり、関係機関に参加を依頼したりするなど、協力体制を構築しております。この会議では、学校や関係者が協議しながら、不登校要因の解消の方策を検討したり、それぞれが行ってきた支援とその効果を検証して、新たな支援策を検討したりしております。 支援シートは、学年が替わっても継続して利用できる形式にし、情報を確実に引き継ぐとともに、組織的、計画的支援が提供できるよう、随時改善に努めております。 また、市教育委員会では、関係機関を含めた生徒指導に関する会議の中でも不登校対策に特化した会議として、市教育委員会と関係機関で実施する三島市不登校対策連絡会を年3回、そのメンバーに各校の担当者も含めた三島市不登校児等担当者会を年2回実施し、情報共有及び不登校対応に関する研修を行っております。 不登校の要因は先ほども申し上げましたように、個々の児童生徒によって異なりますので、関係機関の協力を得る中で、適切な支援策を検討しながら実施しているところでございます。 市教育委員会といたしましては、1人1台端末も利用可能となったことから、学校や適応指導教室が児童生徒とオンラインでやり取りをする等、児童生徒とのつながりが途切れない支援を引き続き実践してまいります。 ◆18番(土屋利絵君) 実際に様々な支援策をされていることは理解いたします。 では、スクールソーシャルワーカーの質問に移ります。 不登校の子どもたちをサポートしていくことが、スクールソーシャルワーカーの役割の1つです。今年から三島市では、スクールソーシャルワーカーを5人から6人に増やしました。不登校の子どもたちが増えていることが要因ではないかと考えます。 スクールソーシャルワーカー1人が受け持つ子どもたちの人数について、また、課題はあるのか。そして、支援を求めてこない児童家庭に、こちらから出向いていくこと、アウトリーチの必要性について伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) スクールソーシャルワーカーに関する御質問をいただきましたので、お答えいたします。 令和3年度について申し上げますと、三島市では県費と市費を併用したスクールソーシャルワーカーが3人、市費単独のスクールソーシャルワーカーが2人の計5人体制で三島市スクールソーシャルワーカー活用事業を実施いたしました。県費と市費を合わせて約1,500時間分の予算を確保し、それを5人に分配し、拠点校及び要請のあった学校に対して派遣いたしました。 勤務内容は、ケース会議への参加、家庭訪問、別室登校する児童生徒への声かけ等、多岐にわたりますが、1人当たりの受け持ち人数は具体的に名前が挙がった児童生徒に限定しても述べ人数にして約220人となります。 不登校児童生徒の増加に合わせて、学校や家庭からの家庭訪問の要請も増加傾向にございます。学校が要請する家庭訪問としては、関係機関へつなげるための児童生徒や家庭の状況確認を目的としたもの、また、支援を求めてこない家庭へのアウトリーチとして行うものがございます。特に、アウトリーチの必要性は未然防止、早期発見といった観点から高まっております。 このように、増加し続ける学校や家庭からの訪問要請のニーズに対して、5人だけでは対応し切れない現状もあることから、今年度は県費と市費を併用したスクールソーシャルワーカー1名を増員し、6名体制でこの事業を実施しておりますが、まだまだ学校や家庭のニーズに対して十分に対応し切れていないという課題がございます。 市教育委員会といたしましては、県に対し、昨年度に引き続き、派遣時間数の増加を要請してまいります。 ◆18番(土屋利絵君) スクールソーシャルワーカー1人当たりの子どもたちの受け持ち人数は、具体的に名前が挙がった児童だけでも述べ人数で220人に達しているということです。かなり無理な数字になってきたのかなと思います。 今年からスクールソーシャルワーカー5人から6人に人数は増やしましたが、予算的には微増にとどまっています。人数は増えても時間数があまり増えていないのかなと思うところです。やはり1つ心配することは、スクールソーシャルワーカーへの相談枠がなかなか取れないと、先生方が思ってしまうことです。相談はしたいけれども、我慢してしまうといいますか、諦めてしまう傾向がついてしまうことは、本来だったら救えるはずの子どもたちを、みすみす手放してしまうことにもなりかねません。先生方を全力で周りが支えていくためには、スクールソーシャルワーカーの人数を確保し、相談のための時間数も確保し、相談しやすい体制にしていかなければ、先生方だけではどうにもできないことは多いと思います。 静岡県に時間枠の増加を要望するのもいいですが、三島市としてもスクールソーシャルワーカー1人当たりの受け持ち人数が220人に上っているという現実を受け止め、そのための予算を早急に確保していくことを、ここは強く要望いたします。 ところで、皆様「米百俵」という言葉を御存じでしょうか。100俵の米も食えばたちまちなくなるが、教育に充てれば、あしたの1万、100万俵となるという意味で使われています。明治初めの長岡藩で、誰も彼もおなかを空かせていたところに、米100俵が贈り物で届いたときのことです。当時のトップであった小林虎三郎さんは、次のように言いました。この米を1日か2日で食いつぶして、後に何が残るのだ。国が興るのも滅びるのも、まちが栄えるのも衰えるのも、ことごとく人にある。この100俵の米を元にして学校を建てたいのだ。この100俵は今でこそただの100俵だが、数後年には1万俵になるか100万俵になるか計り知れないものがある。いや、米俵などでは見積もれない尊いものになるのだ。その日暮らしでは長岡は立ち上がれないぞ。新しい日本は生まれないぞ。 子どものヤングケアラーも、そのままにすれば進学や就職を諦めたりして、日本にとっても大きな損失になるでしょう。不登校もそのままにしておくことなく、何らかの形で子どもたちが社会で生きていくための社会性を身につけさせ、自分で生きていけるような土台を私たちはつくっていくことが必要です。それでも不登校になってしまう前のサポートをしっかりしたほうが、お互いに楽なのは言うまでもありません。 神奈川県では面白い取組を行っていました。1日目休んだら電話、2日目休んだら手紙、3日目休んだら家庭訪問、月に3日休む形になったときには自分一人で抱え込まず、学校など組織として関わっていく。早期発見のための三島市への取組を伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) では、不登校になりそうな子どもたちの早期発見と対策についてお答えいたします。 三島市においても、不登校になりそうな児童生徒の早期発見、早期対応に向けて、市内の小・中学校に対して、児童生徒が欠席した際には家庭と連絡を取るのはもちろんのこと、3日程度の欠席で家庭訪問、5日程度の欠席でケース会議の実施を指示いたしております。また、欠席が続く児童生徒には、1人1台端末も活用しながら、学校から情報発信を行ったり、個々の状況によってはオンラインで担任と児童生徒がつながったりするなど、家庭と学校とのつながりが途切れないような支援を行う中で、個々が抱えている悩みや課題をいち早く察知し、その対応をしていくように努めております。 市教育委員会といたしましては、児童生徒が不登校につながる前に対応していくことが大切であると考えております。教員は日常の学校生活の中で一人一人の児童生徒の状況を観察し、いつもと異なる様子が見られる児童生徒に声をかけ、相談を行うようにしております。また、児童生徒の中にはなかなか周りに相談できず、悩みを抱えたまま、学校生活を送っていることも考えられることから、各校では定期的に生活アンケートを実施し、児童生徒の状況を把握し、個別に教育相談を行っております。さらに、中学校においては思春期を迎え、より丁寧に実態を把握する必要があるため、hyper-QUを実施し、支援を要する生徒を見いだし、教育相談につなげております。 このような取組を通して、新規不登校になる児童生徒を減らしていくことができるよう、努力いたしております。 ◆18番(土屋利絵君) 早期発見で、そもそも不登校にならないような取組を、引き続き全力で続けていただきたいと思います。 次に、心の健康を子どもたちと保護者が学ぶ機会づくりについて伺います。 不登校やヤングケアラーの問題とも深く結びついておりますが、心の健康という点については、今の時代、誰もがグレーゾーンにいて、外見的には全く分からなくても、様々なものを抱えているのかもしれません。テニスで有名な大坂なおみさんが鬱病を告白するなど、精神疾患は今の時代、がんと並ぶ大きな疾患でもあります。人間ですから、晴れる日もありますが、曇ったり雨が続いたり、雷や台風の日もあります。そんな心の天気の変化に戸惑っている子どもたちには、自分の体と心に向き合う時間と、頑張れないときもあるということ、ゆっくりでもいいというメッセージとSOSの出し方を教えていくことも必要です。 先日の静岡新聞には、中等以上の鬱的な状態の子どもが小学生で9%、中学生で13%と出ていました。爆発する前に、凍りついてしまう前に、ちょっと一呼吸置けるような知識と環境が子どもたちにも、そして、保護者にも必要です。 子どもたちに精神疾患というもの、どのようなときに、どんなところに相談すればいいのか、学ぶ機会を与えることが、これからの長い人生においても必要だと考えます。また、私たち親世代は、精神疾患のことを学校で学ぶ機会はありませんでした。だからこそ、今の子どもたちのことが理解できなかったり、ある意味、偏見を持ったり、自分自身が抱えていることも理解できなかったりしている現状があると思います。改めて、子どもや保護者の方々に向けての啓発について伺います。 ◎教育長(西島玉枝君) 心の健康について、子どもたちの学習と保護者への啓発についてお答えいたします。 心の健康については、小学校学習指導要領では、体育の保健の分野の中に「心の健康」という内容項目があり、心と体の密接な関係や不安や悩みへの対処について、小学校5年で学習しております。また、中学校学習指導要領では、保健体育の保健分野の中に「心身の機能の発達と心の健康」という内容項目があり、精神と身体の関わりや欲求やストレスとその対処について、中学校1年で学習しております。教科書には、小学校、中学校ともに、個で対処する方法と、ストレスを抱え込まずに周囲に相談する方法や、具体的な相談先等についても掲載されております。 それに加えて、三島市では、1人1台端末からアクセス可能な「みしまGIGAポータルサイト」内に、心の相談フォームを設置し、24時間、いつでも学校に相談内容を送信できるようにしております。また、学校に相談しにくい内容を抱えた児童生徒のために、ポータルサイト内には、国や県等が設置する相談先について紹介するページも用意してございます。このほかにも、学校の実態に応じて、健康づくり課主催のSOSの出し方講座を実施している例もございます。 保護者の方への啓発については、国や県から情報提供のあったメンタルヘルスに関するパンフレット等を学校を通じて家庭に配布したり、三島市でも健康づくり課が作成した「少しだけ勇気を出して話をしてみよう」というリーフレットを家庭に向けて配布したりしております。 今後も三島市教育委員会といたしましては、健康づくり課と連携しながら、児童生徒への啓発及びメンタルヘルスに関する市民講座等の保護者の皆様への情報提供等を推進してまいります。 ◆18番(土屋利絵君) 実は、聞き取りのときに健康づくり課の職員が教育委員会の職員に対して、この分野に関して何でもやっていきますから、何でも言ってくださいという力強い言葉をおっしゃっておりました。私自身も本当にうれしかったです。教育委員会を全部の部署で支えていける体制をつくっていきたいものです。 次に、子育て短期支援事業について伺います。 頑張り続けているときには、人は余裕がないものです。自分が精神的に追い詰められていることも分からないかもしれません。例えば、誰かの手助けがあったり、我に返って初めて気づくものかもしれません。 子育て短期支援事業というのは、保護者の疾病やそのほかの理由により、家庭において児童を養育することが一時的に困難になった場合や経済的な理由により、緊急一時的な場合に、7日間を限度に施設や里親宅などに預けることができる制度です。令和3年度より児童相談所などの施設ではなくても、あらかじめ登録している保育士や里親宅で子どもたちを受け入れることができるようになりました。施設に預けることはハードルが高くても、預け先が近所の方であれば、預けるほうの気持ちは楽になりますし、子どもたちも学校に通える範囲に預け先があることは大切に思います。 自分が無理なときに、このような場所に短期的に預けることができれば、保護者も随分楽になるはずです。預けることができる里親を増やしていく取組とともに、この事業があることをできるだけ広く広報していくことが必要です。まずは、三島市における里親の現在の人数と今後の方向性について伺います。 ◎社会福祉部長福祉事務所長(水口国康君) お答えいたします。 里親制度の運用につきましては、県がその実施主体とされていることから、里親の人数について県に問合せをしたところ、令和3年度末時点における県内の認定里親数は365組でございまして、そのうち三島市内におきましては15組の里親が認定を受けている状況でございます。 それから、今後の方向性につきましては、子育て支援短期支援事業、これは保護者の疾病等の理由等により、先ほど御質問がありましたとおり、一時的に養育が困難になりました児童について、市が委託する施設等で一時預かりを行うことを目的とする事業でございます。本市においては、これまで市内にあります児童養護施設を委託先として、本事業を実施しているところでございますが、施設側としての受入れ態勢の確保や相談者からの利用ニーズに対する施設側との調整に苦慮しているところでございます。 施設での受け入れが難しい場合におきましては、これまで施設からの委託により短期間での里親での委託が可能とされておりましたが、昨年4月施行の児童福祉法改正により、本事業において市町村が児童を里親に直接委託して実施することが可能となっております。これまで本市において里親への直接委託を行った事例はございませんが、本制度の活用により、これまで以上に柔軟な対応が可能となっておりますので、本事業を紹介するなど、事業の周知に努めてまいりたいと考えております。 また、本事業を進めていくためには、里親の存在が不可欠でございますので、静岡県東部児童相談所及び県から里親支援業務を行う機関として指定を受けております社会福祉法人静岡恵明学園児童家庭相談支援センター「スマイル」とも連携し、里親制度へのさらなる理解普及に引き続き努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆18番(土屋利絵君) 三島市内には、現在里親が15組とのことです。これからは三島市が、子どもたちを直接、里親に委託することができるということですので、里親が例えば、小学校区に1人いれば、どこの学校に通っていても、その学校に通いながら里親宅に預けることができるようになります。子どもを預けることが自然と行える三島市にしていくことが、これからは大切です。 以上、今回は子どものための生活についての質問をさせていただきました。豊岡市長におかれましては、今まで学校関係、子どものためにもたくさんの財政的な支援をしていただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。子どもたちにとっても生きにくい世の中になっているのかもしれません。どうか、一人も取り残すことなく、支援の手が行き届きますように、これからもよろしくお願いいたします。 ○副議長(佐野淳祥君) 以上で、18番 土屋利絵さんの発言を打ち切ります。--------------------------------------- △延会の宣告 ○副議長(佐野淳祥君) お諮りいたします。本日の一般質問はこの程度にとどめ、残された一般質問は、来る20日午後1時から本会議を開き行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(佐野淳祥君) 御異議なしと認めます。よって、来る20日午後1時から本会議を開き、残された一般質問を行うことに決定いたしました。 本日はこれにて延会いたします。 △延会 午後4時59分地方自治法第123条の規定により署名する   令和4年6月17日        副議長     佐野淳祥        署名議員    沈 久美        署名議員    野村諒子...